箸触りや舌触りまでこだわり味を追求/京粕漬魚久(連載第4回)

箸触りや舌触りまでこだわり味を追求/京粕漬魚久(連載第4回)

▶第1回 ▶第2回 ▶第3回 ▶第4回

粕漬の有名ブランド“京粕漬魚久”で知られる株式会社魚久では、粕漬をどのように作っているのでしょうか?全4回の連載形式でその秘密に迫ります!連載第4回のテーマは、箸触りや舌触りまでこだわった「味の追求」です。

箸触りや舌触りまでこだわり味を追求
 創業から100年の歴史を持つ魚久ですが、「その道のりは決して平坦ではなかった」と同社の廣田光明社長は語ります。
 「一番の危機は酒粕が足りなくなってしまった時でした。焼酎ブームが起きて日本酒離れが進み、日本酒そのものの製造が減少していったのです。京都の酒蔵の酒粕を使用していましたが、それだけでは到底足りず、さまざまな酒蔵や酒粕メーカーを回りました。現在は当社の“練り粕”の味をつくるため、元となる酒粕を常に4種類用意しています。一般的には新しければ新しいほど、高級な酒粕と思われていますが、粕漬にするには酒の匂いが強ければよいというものではありません。程よく熟成させなければ、魚久の味は出ないんです」(廣田社長)

「一番の危機は酒粕が足りなくなってしまった時でした。焼酎ブームが起きて日本酒離れが進み、日本酒そのものの製造が減少していったのです。京都の酒蔵の酒粕を使用していましたが、それだけでは到底足りず、さまざまな酒蔵や酒粕メーカーを回りました。現在は当社の“練り粕”の味をつくるため、元となる酒粕を常に4種類用意しています。一般的には新しければ新しいほど、高級な酒粕と思われていますが、粕漬にするには酒の匂いが強ければよいというものではありません。程よく熟成させなければ、魚久の味は出ないんです」(廣田社長)

 廣田社長は粕漬について「箸触り、舌触り、味」の3つが最も重要で、切身に箸を入れた時の切れ方、それを口に入れた身のほぐれ方、それから香りと味、これらが一体となって、その粕漬を美味しいと感じられると言います。魚久ではいくら味がよくても、この箸触りや舌触りが悪ければ、商品化はしません。また、味覚は個人差があるので、少し甘口にして、後から醤油で味を調整できるようにしてあるそうです。こんなところにも、どうすれば美味しい粕漬を提供でき、お客様に喜んでいただけるかを常に考えている、魚久の味へのこだわりを感じます。

「新商品開発についても、以前は粕漬に合う魚は何かという視点で開発していました。しかし、社員からいろいろな提案がされるなか、会社としての考え方も徐々に変わり、この魚に合わせるため、塩加減を研究すると同時に、粕を変えればよいのではという発想も出てくるようになりました。現在はこれまでの粕漬のほかに、味噌を入れた粕漬もつくっています。伝統の味を守ると同時に、新たな味の発見や創造を続けていくことが魚久の務めだと思っています」(廣田社長)

 「新商品開発についても、以前は粕漬に合う魚は何かという視点で開発していました。しかし、社員からいろいろな提案がされるなか、会社としての考え方も徐々に変わり、この魚に合わせるため、塩加減を研究すると同時に、粕を変えればよいのではという発想も出てくるようになりました。現在はこれまでの粕漬のほかに、味噌を入れた粕漬もつくっています。伝統の味を守ると同時に、新たな味の発見や創造を続けていくことが魚久の務めだと思っています」(廣田社長)
 こうした細部にまで行き届いた味へのこだわりと、最新技術の導入や新商品開発などへの企業努力の積み重ねによって、“京粕漬魚久”は全国的な人気ブランドになっているのでしょう。

ぎんだら酒粕

ぎんだら酒粕

粕漬けの栄養・効能
 粕漬は酒粕に漬けることで素材の美味しさを高めるだけではなく、私達の体にも嬉しいことがいっぱいです。まず粕漬はコラーゲンの材料となるアミノ酸が豊富です。コラーゲンは大人になると残念ながら減少するので、食品から摂るのが不可欠です。この場合、コラーゲンを食べてもそのままの状態では吸収されないので、コラーゲンの材料であるアミノ酸を摂る方が効果的です。そして魚の粕漬にはそのアミノ酸がたっぷり含まれています。また、食べ物の消化吸収を高めるビタミン類も多くなります。特にビタミンB2は多く、脂質を効率的に燃焼させることができます。ビタミンB2は成長ビタミンともいい、成長期の子供達には特に重要なビタミンです。

 

株式会社 魚久
株式会社 魚久
本社 東京都中央区日本橋人形町1-1-20
TEL 03-3527-6868
http://www.uokyu.co.jp/
関連キーワード: