カジキの秘密

〈食育まめ知識〉カジキの秘密

カジキは照り焼きや煮つけだけでなく、新鮮なものはお刺身として食べられています。

【カジキの種類】
カジキの種類は、大きく分けてメカジキとマカジキです。大きなものになると体長4m以上、体重700kgを超える大型魚になります。
獰猛な性格で気性が荒く、あごから伸びた剣のように長い吻(ふん)を振り回し、獲物を一突きするだけで気絶させたり致命傷を負わせます。
泳ぐ速度が魚の中で一番早いといわれ、時速96kmで泳ぐとされています。
メカジキ科1種、マカジキ科11種に分類され、メカジキ科とマカジキ科の違いは、腹びれの有無です。
メカジキに腹びれはなく、マカジキには腹びれがあります。
カジキの肉質は、程よい脂とうま味、甘味があり、淡紅色の赤身です。
スーパーなどで“カジキマグロ”と明記されていることがありますが、これは俗称でマグロはサバ目、カジキはスズキ目で全く別の品種です。
肉質がマグロに似ていることやマグロと同じ延縄漁業で漁獲されることからこのように呼ばれることもあります。

【カジキの語源】
カジキは漢字で“梶木”と書きます。鋭く伸びた上顎の吻で舵木(船の舵をとる硬い木板)を突き通すことから舵木通し(カジキドオシ)と呼ばれ、それが縮まったのが現在のカジキであるといわれてます。

【カジキの漁獲地と旬】
メカジキは世界中の温帯から熱帯海域に広く分布し、日本周辺では三陸沖や伊豆諸島近海で漁獲されます。
一方、マカジキ科の各種は、インド洋・太平洋、大西洋、地中海といった限られた分布をします。
日本近海では、マカジキやバショウカジキが初夏にカツオを追って北上し、秋にはサンマを追って越冬と産卵のために南下します。
メカジキの旬は秋から冬、マカジキは冬から春ですが、近年では冷凍技術が発達したことから、1年を通して食べることができます。

Text by ざわちゃん/食育インストラクター

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