旬のものが体に良い理由とは?

〈食育まめ知識〉旬のものが体に良い理由

一番美味しくて栄養も豊富、体にも良いものを「旬」と言いますが、旬にも色々あります。
旬の少し前、市場に出回り始めた旬を待ちきれない「走り」。
その食材がもつ自然の美味しさが一番引き出されて市場にも出盛りの「旬」。
過ぎる旬を惜しむ「名残」。
このように分類されています。

【なぜ旬のものが良いの?】
旬とは、野菜にとって一番良い生育条件が整った環境で育てられ、最も成熟している時期です。
たとえばトマトなどの夏野菜はもともとの原産国の関係で暑さに強く、夏の太陽をたっぷりと浴びて栄養を蓄える植物ですが、これが冬だと日差しが弱く、さらに寒くて育ちにくいです。
ほうれん草や大根などの冬野菜は寒さに強く、冬の低温の中でじっくりと太陽の光を浴びて少しずつ栄養を蓄えていく植物です。
これが夏に育てようとすると日差しが強すぎて、栄養を蓄える前にぐんぐん育ってしまい、栄養が十分に蓄えられていない状態になってしまいます。
旬のものと、そうでないもの(ハウス栽培などで年中出回っているもの)の栄養価は比較すると2倍~それ以上違うという結果が出ています。

【体に良い理由】
ちょっと考えてみると、夏にはあっさりとした野菜や酸味のある果物、カリウムを豊富に含み、体の熱を冷ます効果の高いものが旬を迎え、冬には体を温める効果の高い根菜類が旬を迎えます。
旬のものを食べることは、季節に対応した体作りをすることだったのです。
「秋ナスは嫁に食わすな」と言うことわざがありますが、「美味しいから憎たらしい嫁に食べさせるのがもったいない。」と言う意味と、「夏野菜である茄子で体を冷やすと流産などの心配があるため」とも言われています。
昔から日本人は旬のものをうまく取り入れて生活していたことが良く分かりますね。

四季がある日本だからこそ、たくさんの旬の食材に恵まれ、肌で季節を感じるだけでなく味覚でも楽しめるのです。
最近は栽培技術が向上して旬のものが分かりにくくなってきていますが、旬のものはたくさん出回るからこそお値段が安くなっているので積極的に取り入れていきたいです。

四季を楽しみながら、旬の味覚を楽しんでください♪

Text by ふーみん/食育インストラクター

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