日本の年末の風物詩!「年越しそば」のルーツに迫る☆

大晦日に欠かせない食べ物と言っても過言ではない、「年越しそば」。
毎年、何となく食べていませんか?

今回は、「年越しそば」のルーツや食べるタイミング、ご当地の年越しそばをご紹介します!

【年越しそばのルーツ】

年越しそばの歴史は、鎌倉時代までさかのぼります。
福岡県の博多駅前にある承天寺が、年を越せない貧しい人々にそば粉で作ったそば餅を振る舞ったことが始まりとされています。
そば餅を食べれば運気が上がるとちまたで評判になったこともあり、江戸時代の中期には、大晦日に食べる年越しそばとして広く定着したという説が有力です。

【年越しそばを食べるのはなぜ?】

『どうして大晦日にそばを食べるのか。』
その理由には諸説ありますが、今回は代表的なものをいくつかご紹介します。

①長寿や繁栄を祈る
この一年が無事に過ごせたことに感謝し、「細く長く」という縁起をかついで(長寿を祈って)食べるという説。

 ②厄払い
ほかの麺類に比べてそばが切れやすいことから、旧年の苦労や災厄を断ち切るという説。
そのため、年越しそばを「縁切りそば」、「年切りそば」などと呼ぶこともあります。

③金運上昇
昔の金細工師が、散らかった金粉を集めるのにそば粉を使用したことから、そばは金を集める縁起物だと言われるようになった説。

①と②は、若干矛盾している気もしますが…。
いずれにせよ、食べて幸福をもたらすということには変わりありませんね♪


【食べるタイミングは?】

「年越し」と聞くと、“年越ししながら(0時過ぎに)食べるのかな?”と思う方もいらっしゃると思いますが、実はこれはNG!
“年を越す前(0時までには)に食べ終わる”のが〇です。

理由は、縁起が悪いから!
上で述べた②の意味だと、翌年に持ち越しては駄目ですよね?
夕食として食べるもよし!夜食として22~23時ころに食べるのもよし!です。

ちなみに、そばは、ポリフェノールの一種のルチンを含んでいます。
1日に必要なルチンは、そば約1杯分でまかなえると言われています。
ルチンには抗酸化作用があり、血管の強化や血流の改善に働き、高血圧や動脈硬化の予防が期待できます。
また、ビタミンCの吸収を促進する働きもあるので、こたつで年越しそばを食べてデザートにはビタミンCが豊富なみかんを食べる…なんていうのもおすすめです♪

 【地域によってもいろいろ!全国の年越しそばを見てみよう!

意外にも、年越しそばには地域性があることをご存じですか?
今回はその一部をご紹介します。

 ●福井県
冷たいそばに辛味大根のおろしをたっぷりとのせた「越前そば」が有名です。
薬味には、かつお節とねぎを添えていただきます。

 ●新潟県
ふのりという海藻をつなぎに使う「へぎそば」が食べられています。
ちなみに「へぎ」は「剥ぎ」を語源としていて、剥ぎ板で作った四角い器を指します。
この器に、ゆでたてのそばを手繰って丸く盛り付けます。

●北海道や京都府
そばの上に、にしんの甘露煮をのせた「にしんそば」が食べられています。
もともと北海道で多く獲れるにしんが、干物として京都に運ばれ、にしんそばが生まれました。
次第に、北海道でも食べられるようになりました。

 ●沖縄県
沖縄はほかの地域とは大きく異なり、日本そばではなく、沖縄そばで年越しする家庭が多いようです。
豚の3枚肉を使う「沖縄そば」や、醤油で煮た豚の赤身肉とかまぼこを細切りにしてのせる「八重山そば」が主流です。
1968年に、沖縄の食品会社が県内で初めて年越しそばとして「沖縄そば」を販売し、徐々に『年越しは沖縄そばで』という風習が広まり始めたと考えられています。

 いかがでしたか?
“そば”は食品衛生法により、アレルゲンの特定原材料7品目の1つとして表示が義務付けられています。

今回はご紹介できませんでしたが、地域によってはうどんで年越しをするという場所もあるようなので、そばアレルギーの方は「年越しうどん」なら安心してお召し上がりいただけます♪

皆さんもぜひ、今年の年末は1年を振り返りながら、年越しそばや年越しうどんを味わってみてくださいね♪

Text byろい/食育インストラクター