子どもとおやつ~初午の日のおやつは「おいなりさん」で決まり!~

日本人は昔から季節ごとの行事を大切に、日々の暮らしに感謝しながら生活してきました。
今回は2月の行事の中から「初午」にスポットをあて、行事の内容やそれにちなんだ食べ物をご紹介します。

【初午(はつうま)】

初午とは、2月最初の「午(うま)の日」のことをいい、稲荷神を祀った稲荷神社のお祭りが行われる日です。
稲荷の語源は、稲が生ることを意味する「稲生り」が転じたものとする説が有力で、「田の神様」を祀っていたので、「五穀豊穣」や「商売繁盛」・「家内安全」などにご利益があります。
初午の日は神社に赤いのぼりが立ち、油揚げ・お赤飯などが供えられます。

【初午に「おいなりさん」??】

では、なぜ初午の食べ物が「おいなりさん」なのでしょう。
それは、田の神の使いが「きつね」とされたことに由来します。
きつねは春になると山から下りてきて、畑などにいるねずみを食べ、秋には山に帰っていたのですが、それが人にとって有益なことだったので、神の使いとなりました。
神の使いのきつねは油揚げが好物とされていたので、油揚げの中にごはんを詰めたお寿司を食べてご利益を得ることに結びついたようです。
ちなみに、関東と関西ではおいなりさんの形が異なります。
関東では長方形の油揚げの長さを半分にしたものを使って、米俵をイメージした俵型にします。
関西は、正方形の油揚げを斜めに切って三角形にして使い、きつねの耳に見立てるのが主流です。
初午ではおいなりさんをいただく風習が多いですが、地域によっては「しもつかれ」や「初午だんご」を作るところもあります。

それでは、初午にちなんだ「簡単おいなりさん」をご紹介します。
今回は、電子レンジを使って手早く出来るレシピです。
包む作業をお子さんと一緒にやっても楽しいですね!


【電子レンジでおいなりさん

<材料:10個分> 調理時間:20分
油揚げ・・5枚 ※今回は長方形のものを使用
Aしょうゆ・・大さじ2
A砂糖・・大さじ2・1/2~大さじ3
Aみりん・・大さじ2
A水(または出汁)・・大さじ7(約100ml)
ごはん・・1.5合分
B砂糖・・大さじ1・1/2
B塩・・小さじ1/3~1/2
B酢・・大さじ3
白いりごま・・大さじ1

<作り方>

  1. 油揚げは長さを半分に切る
  2. 深さのある耐熱容器にAを入れてよく混ぜ、砂糖を溶かす
  3. (2)に(1)を一枚ずつ入れ、入れるごとに調味液を全体に絡ませる
  4. (3)にふんわりとラップをかけ、600wの電子レンジで2分加熱し、取り出す
  5. 油揚げの上下を返してさらに1分加熱し、取り出してときどき上下を返しながら粗熱を取る
  6. 温かいごはんに合わせたBを回し入れて切るように手早く混ぜ、全体に水分が行き渡ったら、ごまを加えてサッと混ぜ、10等分に分ける
  7. (5)の汁気を軽くしぼり、切り口から袋状に開いて(6)を詰める

<ワンポイント>
・油揚げの油が気になる場合は油抜きしてから使って下さい。
・時間に余裕があるときは、使うごはんをすし飯用としてかたく炊いて炊き立てを使っていただくと、よりおいしく出来ます。

【子どもにとってのおやつ】

乳幼児期の子どもは胃が小さく、消化機能も未熟です。
一度にたくさんは食べられないので、食事に加えおやつでエネルギーや栄養を補ってあげる事が望ましいです。
子どものおやつは「おやつ=お菓子」ではなく、「おやつ=第四の食事」と捉え、おにぎりやサンドイッチなどの軽食やフルーツがおススメです。
一緒に与える水分は、ジュースなどの甘い飲み物ではなく、お茶や牛乳がよいですね。
食事に影響が出ないように量や時間を考慮して組み込みましょう。

いかがでしたか。
行事ごとの食べ物は、いろいろな由来が詰まっています。
子どもと一緒に作ったり、行事や食べ物にまつわる話をしてあげると有意義な時間が過ごせるのではないかと思います。
毎日手作りのおやつだと用意が大変ですので、市販品を織り交ぜて楽しいおやつタイムにして下さいね。

Text byさゆり/食育インストラクター