座っても立ってもつらい!足のむくみ対策と食事の関係

なんだか足がだるい…と思って足を見てみると、ふくらはぎがパンパン!靴がきつくて履けない!こんな症状を経験したことはありませんか?
この症状は翌日にはよくなることが多い「生理的なむくみ」で、治療が必要な「病気が原因のむくみ」と区別されます。
とはいえ、症状が出ているときは生理的なむくみもつらいものですよね。
今回は生理的なむくみの原因と食生活について迫ります。

【むくみと水分・脱水のお話】

細胞と細胞の間には、間質液と呼ばれる水分がたまっています。
生理的なむくみは、この間質液が何らかの原因で過剰にたまっている状態を指します。
つまり、むくみとは皮膚や皮下組織が余分な水分をため込むことで起きるのです。
むくんでいる箇所を押すとぶよぶよして、脂肪や筋肉とは明らかに違う触感なのでわかりやすいですね。
原因が水分なら、単純に水を飲まなければいいのでは?と考えたくなります。
しかし、それはNGです。
健康な成人は、体重のおよそ60%が水分です。
つまり、私たちの体は半分以上が水分なのです。
例えば、この水分量が3%減っただけでも、強いのどの渇きを感じたり、集中力が落ちたりします。10%以上減れば、深刻な脱水状態に陥ります。
水分補給を減らすことで、むくみがよくなることはまずありません
それどころか、脱水による健康被害のリスクが高まるので、水分はきちんと取りましょう。
ただし、コーヒーや緑茶・エナジードリンクなど、カフェインを含む飲み物で水分補給をしている場合は注意が必要です。
カフェインは利尿作用が高く、水分を体から排泄させる働きがあるからです。
これらの飲料はし好品として考え、水分補給は水や麦茶などで取るのがおすすめです。
ちなみに、水分補給と関わりのある飲料としてスポーツドリンクも挙げられますが、こちらは発汗で失った栄養素を補給する目的もあるため、糖質や塩分が添加されています。
塩分(ナトリウム)とむくみの関係については後ほどご紹介しますが、スポーツで体を動かしたあとや、炎天下の屋外でたくさん汗をかいたときでなければ、積極的に飲まなくてもよいでしょう。


【新鮮な野菜を食べよう!?】

むくみの原因は、水分そのものではなく、体内の水分バランスが崩れていることが原因です。

・同じ姿勢で過ごしているので、血行が滞ってしまう
・ナトリウムのとり過ぎで体液濃度を調整するために、水分をため込んでしまう

生理的なむくみの大きな原因が、この2つです。
このうち、血行不良が原因の場合は、運動不足が考えられます。
下半身の筋肉を鍛えたり、休憩時間などを利用して歩く、毎日きちんと入浴(シャワーで済ませない)するなど、できることからはじめてみましょう。
食べ物に関係があるのはナトリウムの方です。
ナトリウムは体に必須の栄養素ですが、多すぎると体のあちこちに負担がかかってしまいます。
そのため、ナトリウム濃度を一定に保つために、水分が必要になり、ため込むのですね。
ナトリウムのバランスを調整する役割を持つのは、水分だけではありません。
余分なナトリウムを排出させる働きのある、カリウムも大切です。
カリウムは野菜や果物に多いので、野菜や果物が不足している人は、むくみやすい状態だといえるでしょう。
カリウムは水に溶けやすい性質があるので、野菜や果物は調理するよりも、生で食べた方が効率的です。
生野菜を毎食食べるのは難しい場合もあるので、食後のデザートやおやつに新鮮な果物(カリウムが多く、食べやすいバナナやキウイがおすすめです)をプラスするなど、工夫するとよいですね。

【病的なむくみについて】

適切な水分補給と食事、そして定期的に運動をして、平均的な筋肉量を維持している状態であれば、生理的なむくみは一時的なもので、時間が経てば治まります。
しかし、これらの要素に思い当たる原因が無いのに、むくみが続いている場合は、内臓に何か異常が起きている可能性があります。
内臓に原因がある場合、食べ物を含めた生活習慣を改善しても、根本的な解決はできません
また、むくみに関わる内臓疾患は複数あるため、自己判断は禁物です。
まずは病院へ相談しましょう。

むくみは自覚しやすい症状ですが、原因はいくつか考えられます。
すぐ治るからと放置せず、何が原因なのか考えることで、自分の体のメンテナンスもできますよ☆

Text byはむこ/食育インストラクター