今後急増!?ロコモティブシンドロームとは?

最近、腰痛や肩こり解消のために軽いストレッチを始めてみたら、全然思うように動かない!
あれ、私の身体ってこんなに硬かったっけ?…なんて経験をされたことのある方はいらっしゃいませんか?
今回はそんな経験をお持ちの方に忍び寄る魔の手、「ロコモティブシンドローム」のお話です。

【あまり耳慣れない言葉だけど…?】

このロコモティブシンドローム、日本語で言うと「運動器症候群」となります。
「じゃあ、その運動器ってどこを指した言葉なの??」という疑問が生じると思いますのでお答えすると、筋肉や骨、脊髄など、運動するのに関わる身体部位全てを総括した言葉となります。
この運動器のいずれかが衰えるか、疾病により機能不全に陥り、将来的に介護を必要とする可能性の高い状態
それがロコモティブシンドローム(以下ロコモ)なんです。
ちなみに、運動器の中でも筋肉量が減少している状態をサルコペニアといいます。
こちらも放置し続ければ歩行機能の低下など、介護が必要な状況を招く可能性が高いためロコモの原因として挙げられています。

【加齢で身体が衰えるのは仕方がないのでは?】

人間の身体機能の最盛期は20代半ばぐらいまで。
それ以降衰えていくのは当然のことなのですが、そのスピードは人によって違います。
やはり定期的に体を動かす機会のある方が老化スピードは緩やかなので、身体機能の問題が起こりにくくなります。
もちろん、運動だけしていれば予防できるというものではありませんが、ロコモを予防して健康に暮らすためには、体を動かすことが最も重要なポイントであると言えるでしょう。
健康な今から意識していくことがとても大事なので、思いついた時にエレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中でできる小さなことから始めてみてはいかがでしょう?


【やっぱり欠かせない、食事とロコモ】

人間の身体の中では代謝機能が働いていているので、筋肉や骨は常に新しいものへと作り替わっています。
その代謝を行うには食事から栄養をとる必要があるので、ロコモを予防したい!と思われるのなら、食事について考えることも大切です。
まず大事になってくるのがたんぱく質
食の欧米化が進み、肉を食べることが増えたため、現代の日本人は十分なたんぱく質が摂れている…と思われがちなのですが、肉は肉でも脂質が高いものを食べている場合、たんぱく質より脂質の方を多く摂ってしまいがちなんです。
これでは別の病気の発症リスクを高めてしまうことにもなりかねません。
動物性たんぱく質の補給源としては、皮を外した鶏むね肉やささみ、牛肉や豚肉ならヒレ肉やもも肉が挙げられます。
これらはいずれも脂質が控えめなので、シニアだけに留まらず、全年齢通して召し上がって頂けます。
また、骨の強化のためにカルシウムを摂るようにすることも大事です。
特に女性は加齢とともに骨密度が下がりやすくなり、骨粗鬆症の危険も高まる傾向にあります。
カルシウムだけを摂るのではなく、その吸収を助けるビタミンDやマグネシウムも一緒に食べるようにするのがおススメです。
ビタミンDはきのこ類に、マグネシウムは種実類などに多く含まれているので、うまく組み合わせると効率が良くなりますよ。

なってしまってから「昔と同じくらいまで動けるようにする」のはとても難しいのがロコモです。
運動にせよ食事にせよ、「昔より身体が鈍ったなぁ…」なんて思った時がはじめ時かもしれませんね。

Text by はむこ/食育インストラクター