各栄養素にはどんな働きがあるの?~ビタミンC編~

私たちは日々の食事でエネルギーや栄養素を摂取し、生命を維持したり、身体活動を行っています。
今回は皮膚や粘膜の健康維持やストレスへの抵抗力アップ、生活習慣病予防に働く「ビタミンC」のお話です。

【ビタミンCってどんな栄養素?】

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、皮膚や細胞のコラーゲンの合成に不可欠な栄養素です。
コラーゲンと言うと肌の健康に効果的なイメージが強いですが、皮膚だけでなく骨や血管など、体のありとあらゆる場所で細胞と細胞を繋げる働きをしています。
そのほか、ビタミンCは鉄の吸収促進や免疫力の強化、体内に侵入した異物を代謝する酵素の活性化など、さまざまな役割を担っています。

 【どんな食べ物に多く含まれているの?】

ビタミンCは体内で合成できない栄養素のため、食事で摂取しなければなりません
ビタミンCの多い食品は、果物(特に柑橘類やイチゴ)、野菜、芋類などです。
水に溶けやすく熱に弱い性質のため、ビタミンCを多く含む食材を調理するときは、水にさらしすぎない、火を入れすぎないことがポイントです。
ただし、じゃが芋やさつま芋などはビタミンCがでんぷんで保護されているため、調理後の損失はほかの食品よりも比較的少ないとされています。

 【ビタミンCの不足や過剰摂取で、体にどんな変化が起こるの?】

●不足すると…
寒さや細菌に対する抵抗力が下がって風邪などの病気にかかりやすくなるほか、骨の発育が不十分になってしまいます。
そのほか、コラーゲンが合成されないために毛細血管から出血し、歯肉炎や貧血、全身倦怠感、脱力、食欲不振の症状が起こります。
また、不足している状態が長期に渡ると「壊血病」を発症することがあります。
※壊血病とは?
コラーゲンがつくれないために細胞の間の結合が緩むことで起こる病気。血管や関節が弱くなることから、歯茎をはじめとする体の各所で出血したり、関節が痛んだりします。

 ●過剰に摂ると…
過剰摂取しても消化管からの吸収率が低下し、残りは尿から出てしまうため、一般的には有害な過剰症はないと言われています。
ただし、薬やサプリメントなどで一度に大量摂取すると、吐き気や下痢、腹痛などが起こる場合があります。
また、腎機能に問題がある人は腎結石のリスクが高まることから注意が必要です。


【自分に必要なビタミンCの量はどれくらい?】

厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」は、日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準です。
食事摂取基準は、年齢と性別に応じて必要量が定まっています。
ビタミンCは、以下のようになっています。

30~49歳女性の推奨量は100mg/日となっていますが、これは何をどれくらい食べたら満たせるのでしょうか?
ビタミンCを多く含む食材を例に挙げると、以下のようになります。

  • ブロッコリー1/3個(100g、茎も使用の場合)
    もしくは
  • いちご4個(60g)+じゃが芋1個(150g)+ピーマン1個(40g)

これらを食べると、30~49歳女性の推奨量を満たすことができます。
あくまで今回ご紹介したものは一例で、これだけを毎日食べていればよいという訳では当然ありません。

皆さんも、いろいろな食材を組み合わせて推奨量のビタミンCが摂れるよう、工夫してみてくださいね☆

Text by ろい/食育インストラクター