生活習慣がとっても大事!骨粗鬆症②

前回の記事では骨とそれを作るために必要なカルシウムについてお話しました。
ですが、カルシウムが大事だからと言って、食事の量を大幅に増やすのも大変ですよね?
今回はカルシウムの吸収率を高める方法と、カルシウム以外で骨に必要な栄養素のお話です。

【カルシウムは吸収率が低い!?】

カルシウムは決して吸収率の高い栄養素とは言えません。
そのため、吸収率を高めるビタミンDやクエン酸と一緒に摂ると良いでしょう。
ビタミンDについては後述しますが、クエン酸は酢やレモン、梅干し、りんごなどに含まれています。
酢の物はもちろんですが、焼き魚などにレモンをかけたり、デザートにりんごを食べたりなど、無理なく少しずつ取り入れるようにするのがよいでしょう。
また、カルシウムの吸収を抑制してしまう栄養素にも注意したいところです。
骨の生成にも関わっている大事な栄養素の1つであるリンは、カルシウムとの摂取バランス(1対1が理想と言われています)が崩れると、カルシウムの吸収を抑制してしまうことで知られています。
日本人には不足気味と言われるカルシウムに対して、リンは様々な食品に含まれているため、特に過剰摂取が心配されています。
スナック菓子やジャンクフード、炭酸飲料や加工食品にはリンが添加されている場合があり、過剰摂取の一因にもなり得ます。
これらの食品を食べる場合は、同時にカルシウムの摂取量も増やすように検討した方が良いでしょう。


【他にもある!骨のために必要な栄養素あれこれ】

骨の健康に関わる栄養素の中でも大きな役割を果たすものにビタミンDとKが数えられています。
ビタミンDは前述した通り、カルシウムの吸収を促進させる働きがあり、ビタミンKは骨にあるたんぱく質を活性化させて骨の形成を促すため、骨粗鬆症の治療薬として使われることもあるほど重要な栄養素です。
食事から摂取する場合、ビタミンDは魚介類やきのこ類に豊富なため、意識して摂って頂くと良いでしょう。
また、適度に日光を浴びると体内でも生成されるため、日中は数分でも外出するよう習慣づけるのも大事です。
ビタミンKは緑黄色野菜、特にほうれん草や小松菜などの葉物野菜や、納豆にも豊富です。
ただし、血栓予防薬のワルファリンカリウム剤を飲んでいる方は、必ず医師か栄養士にご相談の上でビタミンKの豊富な食材を取り入れるようにして下さい。
ビタミンKが薬の効果を阻害してしまう場合があります!
その他にも骨の形成に関わる栄養素は多数あります。
なかでも、カルシウムと共に骨の材料になるマグネシウムは、摂取量が減少していると言われている栄養素です。
マグネシウムは精米されていない米や雑穀、種実類に豊富なので、玄米や雑穀が主食だった時代に比べると、摂取量が落ち込んでしまうのも無理はありません。
白米だけでご飯を食べている方は、定期的に雑穀を加えて炊くようにするのがおススメです。

骨の健康にはこれら以外にも様々な栄養素が関わっています。
いろいろな食材、調理法を試しながら、自分が続けられそうなものを選んで骨の健康維持を目指してくださいね。

Text by はむこ/食育インストラクター