毎日とり入れたい「発酵食品」のすすめ⑤ ~キムチ編~

発酵食品はおいしいだけでなく、栄養面でも嬉しいことがたくさん!
シリーズでお届けしている「発酵食品」のすすめ。
今回は、そのまま食べても、料理に使ってもおいしい「キムチ」をご紹介します。

【もう一度おさらい!発酵食品の嬉しい効果とは?】

発酵食品とは、原料に含まれるたんぱく質やデンプンなどの栄養素を細菌や酵母菌、カビなどの微生物が分解し、うま味成分であるアミノ酸やアルコール、乳酸などが生成されたものを加工した食品を指します。
発酵により、おいしさだけでなく、保存性や栄養価もアップするなど、嬉しいことがいっぱいです。
これらの効果についてさらに詳しくみて行きましょう。

●保存性アップ
基本的に、発酵菌が繁殖しているところには、腐敗菌が増殖することはありません。
そのため腐りにくくなり、長期間、食品をおいしく食べることが出来ます。

●栄養価アップ
発酵の過程で、食材にビタミンなどの新たな栄養成分が生成されます。
そのため、発酵前よりも栄養価が高くなります。
さらに、微生物が生成する酵素の力でたんぱく質やデンプンなどが分解され、体内に栄養素が吸収されやすくなります。

●おいしさアップ
微生物の働きにより、発酵するとうま味や甘味、香りなどのおいしさが加わります。

【キムチの種類】

キムチとは野菜などを塩漬けにし、ねぎ、にんにく、唐辛子、アミの塩辛などをまぶして乳酸発酵させた食品です。
日本でキムチと言えば白菜キムチが定番ですが、韓国には主原料や作り方の違いなどにより、約200種のキムチがあると言われています。

●白菜キムチ(ペチュキムチ)
白菜を塩漬けにしたあと、白菜の葉と葉の間にねぎやにんにく、塩辛、唐辛子粉などを合わせたヤンニョムを挟んで漬け込んだものです。
発酵の具合でさらに分けられ、浅漬けタイプの「コッチョリキムチ」、ほどよい酸味の「センキムチ」、発酵が進み酸味の強い「ムグンジキムチ」の3つが代表的です。

●大根キムチ(カクトゥギ)
「カク」は韓国語で「角」
「トゥギ」は「切り落とす」を意味する、角切り大根を塩漬けにし、ヤンニョムと合わせて作るキムチです。
日本ではカクテキの名で知られています。食感がよくみずみずしい大根に適度な酸味が加わり、箸休めにぴったりです。

●きゅうりキムチ(オイキムチ)
きゅうりに十字の切り込みを入れ、ヤンニョムを詰め込んだキムチです。
名前に入っている「オイ」は韓国語で「きゅうり」を意味します。
パリッとしたきゅうりが肉の付け合わせやおつまみにぴったりです。

●水キムチ
大根や白菜などの野菜を塩水につけて熟成させた、汁ごと味わうキムチです。
ほのかに酸味が効いた汁は、口の中をさっぱりさせてくれます。
牛骨だしと合わせ、冷麺のスープにも使われます。

【キムチの効能】

自然発酵したキムチには、ラクトバチルス乳酸菌と呼ばれる植物性乳酸菌が豊富です。
植物性乳酸菌は、ヨーグルトなどに代表される動物性乳酸菌よりも胃酸に強く、生きたまま腸に届きやすいという特徴があります。
腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善や免疫力アップに働きます。
乳酸菌は加熱すると死滅してしまうので、より効果を期待したいのであれば、生食がおすすめです。
さらにキムチを作るときに使われる唐辛子には辛味成分であるカプサイシン多く、代謝を高めて脂肪を燃焼させる効果が期待できます。


【お家で作ってみよう!「カクテキ」】

<材料(作りやすい分量)> 調理時間:45分(発酵時間は除く)
大根・・1/2本(約500g)
塩・・15g
小ねぎ・・5本
A韓国産粉唐辛子(中挽き)・・大さじ1
Aいかの塩辛・・20g
Aにんにく(おろし)・・1かけ
Aしょうが(おろし)・・1/2かけ
A砂糖・・大さじ1
Aはちみつ・・小さじ2
A白いりごま・・小さじ2

<作り方>

  1. 大根は皮をむき、2cm角に切る。
    塩をまぶして30分ほどおき、水分が出てきたらザルに上げて水気を切る。
  2. 小ねぎは2cm長さに、いかの塩辛は細かく刻む。
    ※本来はあみの塩辛を使いますが、手に入りにくいため、いかの塩辛で代用しました。
  3. ボウルに(1)・Aの粉唐辛子を入れてまんべんなく混ぜ、残りのAの材料と(2)の小ねぎを入れてよく混ぜる。
  4. 清潔な密閉容器に移し、冷蔵庫で保存する。

翌日くらいから食べることが出来ますが、発酵が少し進んだ3~4日後に食べるのがおすすめです。

キムチには嬉しい効果がたくさんありますが、食べ過ぎは禁物。
唐辛子のカプサイシンが胃腸を刺激し過ぎてしまい、胃痛などの原因に繋がります。
適度な量を心掛けて食べるようにしましょう。

Text byまち/食育インストラクター