つらいのどの痛みや声がれを緩和するには?

「のどが痛い=風邪」と考えるのが一般的ですが、のどの痛みは風邪以外にも別の原因が隠れていることもあります。
また、声がかすれて出づらい・かれているなど、毎日出している声に違和感を持ったことはありませんか?
大きな声の出しすぎが原因であればさほど問題はなく、症状が落ち着くまで自然治癒を待てばよいのですが、そうでない場合は別の病気の可能性もあり、早めに医療機関を受診しなければいけません。

今回は、つらいのどの痛みや声がれで考えられる原因をはじめ、症状を緩和してくれる食材をご紹介します。

【のどの痛みは、炎症がある証拠!】

痛みは、主に炎症や刺激が関係します。
のどが痛いということは、そこに感染やがんなどの腫瘍により炎症や刺激が発生している可能性があります。
のどは口や鼻と繋がっているため、外部からの細菌やウイルス・異物が入り込みやすい環境にあります。

 【のどの痛みや声がれで考えられる原因】

今回は、考えられる原因を大きく『日常生活』と『疾患』の2つに分けて考えていきたいと思います。

■日常生活で考えられる原因
1.声の出しすぎ
「大きな声を急に出す」、「長時間話す」などして声帯を酷使したときに、声帯が炎症やむくみを起こして変形してしまい、声がかすれることがあります。

2.過度な飲酒とタバコの吸いすぎ
アルコール度数の高いお酒は、のどを刺激して炎症を起こします。
タバコの煙に含まれるタールは、気管と気管支を刺激して声帯に炎症を起こし、声のかすれの原因となります。

3.加齢
年をとるにつれ、声帯も変化していきます。
声帯が段々と委縮して、2本の間に隙間ができ、ピッタリくっつかなくなります。
その隙間から息が漏れるので、かすれたような声が出るようになります。

4.疲れ
年齢とは関係なく、体や精神的な疲れからも声は出しにくくなります。
話し声が低くなったり、歌うときに中低音が出しにくくなったりすることがあります。

 


■疾患が原因
1.風邪やインフルエンザ
風邪やインフルエンザに感染して喉頭に炎症が起きると、粘膜が腫れてのどの痛みを起こします。
声帯も腫れるので、加齢が原因の場合同様、声を出すときに声帯がピッタリくっつかなくなり、声がかすれます。

2.声帯結節
声帯にできる疾患で最も多いのが『結節』です。
手指を使いすぎると『タコ』ができますが、声帯も使いすぎると同じようにその一部がかたくなって『タコ』ができ、声が出しにくくなります。

3.声帯ポリープ
大きな声を急に出すと、声帯の粘膜に内出血が起きて『血豆』ができます。
ポリープは血豆と考えると分かりやすく、しぼむと自然に治りますが、しぼまずにかたまってしまうと治らなくなります。
声帯にポリープができると、ある日突然声が出づらくなります。

4.喉頭がん
喉頭部にできたがんが声帯の働きを弱めるため、声がかすれます。
また、肺がんや食道がんが声帯の神経を傷つけることもあります。

5.甲状腺の疾患
甲状腺の炎症や、腫瘍によって声がかすれることがあります。
1ヶ月以上声がかすれる状態が続くようであれば、速やかに耳鼻咽頭科か気管食道科を受診しましょう。

【のどのケアにおすすめの食材☆】

●はちみつ
今や食用としてはもちろん、高い保湿力や抗菌・殺菌効果があることから、化粧品などでも活用されています。
最近では、マヌカの花から蜜を集めた「マヌカハニー」に、より強い抗菌作用があり、のどの炎症の緩和に役立つと言われています。

●緑黄色野菜
緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜を強化する働きがあります。

●緑茶や紅茶
渋みや苦みの成分であるカテキンには抗菌作用があります。

のどの痛みが強いときは食欲不振になりがちです。
調理するときには、のどの通りがよくなるよう、食材を小さく切る、やわらかく煮るなどの工夫をしましょう。
また、熱すぎるものや冷たすぎるもの、辛いものは、のどを刺激してしまうので注意が必要です。

そのほかにも、

  • 十分な休養をとる
  • こまめにうがいをして、のどを清潔に保つ
  • 部屋の加湿をする

なども有効です。

空気の乾燥が気になるこれからの時期。
のどのケアをしっかり行っていきましょう!

Text byろい/食育インストラクター