
楽しいイベントやレジャーなど、普段行かない場所へ移動するときは、多くの方が公共交通機関や自家用車などの乗り物を使用します。
しかし、そんな楽しいイベントへ出かけるときに、気になるのが乗り物酔いです。
今回はそんな乗り物酔いと食事についてのお話です。
【乗り物酔いと食べ物】
乗り物酔いは個人差がとても大きな症状で、酔わない人にとっては特に気にする必要のないものです。
しかし、乗り物酔いをしやすい人にとって、知らない道を慣れない移動手段で通ることは、強い恐怖感を抱く緊急事態に思えるほど深刻なものです。
そんな乗り物酔いの主な原因となるのは、揺れによって内耳(三半規管など)が感じた情報と、視覚からの情報のズレで起こる、自律神経の乱れです。
乗り物酔いをすると吐き気を感じることが多いので、「乗り物に乗る前に食事をしなければ吐くこともないのでは?」と考えてしまうかもしれません。
でも、乗り物酔いの主原因となるのは消化器官ではないので、食事を抜くのはNG。
乗り物酔いをしているときは唾液や胃液が過剰に分泌されやすくなるので、空腹状態だと消化器官への負担がかかり、より嘔吐しやすくなる可能性も…?
乗り物酔いが気になる人は、満腹にならない程度の軽食を事前に食べておきましょう。
そのあとに酔い止め薬を飲んでおくと、より安心して乗り物に乗ることができます。(※酔い止め薬は眠くなる成分が入っていることがあるので、服用時はよく確認してから飲んでください)
このときに食べる軽食は油っこい食べ物や極端に辛いもの・酸味の強いものなどの刺激物を避けるとより安心です。
うどんや小さめのおにぎりなど、食べやすいものを選ぶのがおすすめです。
飲み物についても同じく、刺激の少ないものを選びましょう。
爽やかな柑橘系の飲み物や炭酸飲料は酔い止めに効果がありそうに思えますが、これらの飲み物の酸味や発泡の刺激は、胃酸分泌を活発にしてしまうので、乗り物に乗るときは控えた方がよいでしょう。
また、カフェイン飲料は中枢神経を覚醒させる効果があり、乗り物酔いの頭痛の解消などに役立つとする意見もありますが、どのくらいが適正量なのかは個人差が大きく、自覚しにくいことから摂り過ぎてしまう可能性があります。
カフェインの過剰摂取はめまいなどが起こるため、かえって乗り物酔いの悪化を招くことも。
さらに、酔い止め薬には、カフェインを含むタイプのものがあるので、摂り過ぎ防止のためにも、乗り物に乗るときはカフェイン飲料を控える方が賢明です。
【車の中でものを食べない方がよい?】
基本的に、車酔いをしている最中に食べ物を食べるのはやめておいた方がよいでしょう。
ただし、酔って気分が悪くなる前に、気分転換ができるものを食べるのは、乗り物酔いをすることへの緊張や不安感を和らげる可能性があります。
例えば、ガムやキャンディなどの食べ物は、消化器官への負担が少なく、車内でも食べやすい食品です。
胃の不快感を和らげるミント系の香りのもがよい場合もありますが、まずは自分がリラックスできるような、好きな香りと味のするものを選んで試してください。
乗り物酔いの激しい人にとって、長時間の乗車が必要な時は嫌な記憶を思い出してしまい身構えてしまうものです。
それで緊張したり、不安に思うことで、より乗り物酔いが起こりやすくなるので、できるだけ車内でリラックスできる方法を事前に準備しておくことが大切です。
楽しい旅行やレジャーを台無しにしないためにも、乗り物酔い対策はしっかり、けれど気負い過ぎないように準備したいですね。
Text by はむこ/食育インストラクター









