生はもちろん、お菓子にしても◎「りんご」を食べよう!

甘酸っぱく、シャキシャキとした食感の「りんご」は、世界に約1万5千品種もあるといわれるほど、世界中で人気のある果物です。
今回はりんごの品種や世界で食べられているお菓子について、ご紹介します。

【「りんご」の歴史】

りんごの歴史は古く、紀元前からすでに栽培がはじまっていたとされています。
その後、シルクロードを経て世界に広まり、日本には平安時代に中国から「和りんご」が伝わりました。
しかし、その当時は根づかず、本格的な栽培が始まったのは、アメリカから紅玉や国光などの欧米系品種を持ち帰った、明治時代以降です。
冷涼な気候を好むことから東日本でほとんどが栽培され、青森県と長野県で全体の3/4量を占めています。
一般的な旬は9月から1月ですが、技術の進歩により、1年中手に入るようになりました。

【おいしい「りんご」の選び方】

皮にハリとツヤがあり、おしりの部分に緑色が残っておらず、全体が色づいているものを選びましょう。
持ったときにずっしりとした重みがあるものは、果汁が多く、みずみずしい傾向があります。
また、軸が太くしなびていないことも、おいしいりんごを選ぶポイントなので、購入するときにチェックしてください。
りんごは、低温・多湿を好む果物です。
0~5℃の温度帯が保存に最適なので、ビニール袋に入れて温度の低い冷蔵室で保存します。(野菜室は温度が高く、りんごの食感や風味を損なうおそれがあります)

りんごを保存するとき、「ほかの野菜や果物と一緒にしないで」という話を聞いたことはありませんか?
なぜ、このように言われるかというと、りんごから発生する「エチレンガス」が、ほかの野菜や果物の成熟や追熟を早めてしまうからです。
エチレンガスとは、果物の追熟や野菜などの成長や老化を促す、植物ホルモンの一種で、りんごは発生量が多い果物のひとつです。
袋に入れず、そのままりんごを保存すると、まわりの野菜や果物の鮮度低下や傷みの原因になるおそれがあるので、必ず袋に入れ、ほかの食材と離して保存するとよいでしょう。
一方で、かたいアボカドやキウイなどをりんごと一緒の袋に入れ、室温に数日置くと、早く食べごろまで追熟させることもできます。


【「りんご」を使った世界のお菓子】

●タルト・タタン(フランス)
砂糖とバターで炒めたりんごを型に敷き詰め、タルト生地をかぶせてオーブンで焼いたフランスの伝統菓子です。
焼き上がったらひっくり返し、りんごの部分を上にしていただきます。
フランスのタタン姉妹が、アップルパイを焼こうとしたときにりんごを焦がしてしまい、それを隠すために生地をかぶせて焼いた、という逸話があり、この名前がついたといわれています。

●アップルクランブル(イギリス)
りんごの上に、小麦粉、砂糖、バターで作ったそぼろ状のクッキー(クランブル)をのせてオーブンで焼いた、イギリス発祥の焼き菓子です。
名前は、英語で「ポロポロと崩れる」という意味をもつ「crumble(クランブル)」に由来します。
熱々のクランブルに、アイスや生クリームを添えて食べるのが一般的です。

●アップルシュトゥルーデル(オーストリア・ドイツ)
薄く伸ばした生地にりんごを入れ、くるくると巻いてオーブンで焼いた、オーストリアやドイツの伝統的な焼き菓子です。
反対側が透けて見えるほど薄く伸ばした生地に溶かしバターを塗って焼くため、サクサクと軽い食感が楽しめます。
「strudel(シュトゥルーデル)」はドイツ語でうず巻きを意味し、何層にも重ねた生地の状態からこの名がつけられました。

【お菓子作りにおすすめ「りんご」の品種】

■紅玉
1800年ころにアメリカで発見された品種で、「ジョナサン」とも呼ばれています。
特有の酸味と香りを持ち、加熱しても煮崩れしにくいのが特徴です。

■ふじ
国光とデリシャスを交配させてできた品種で、鮮やかな赤色をした果皮と果汁が多いのが特徴です。
日本で最も多く生産されているので手に入りやすく、甘みと酸味のバランスがよいので使いやすいです。
お菓子に使うときは、レモン汁などを少し多く加えると、よりおいしく仕上がります。

■シナノゴールド
ゴールデンデリシャスと千秋(せんしゅう)を交配させてできた品種で、黄色の果皮が特徴です。
果汁が多くシャキシャキとした食感をもち、甘味と酸味のバランスがよい味わいが魅力です。
香りや酸味が残りやすく、煮崩れしにくいため、加熱調理にも向いています。

■グラニースミス
1870年ころにオーストラリアで誕生した青りんごです。
強い酸味とサクサクとしたかための食感が特徴で、加熱しても食感が残りやすいことから、主に加工用として用いられます。

りんごは「1日1個のりんごで医者いらず」ということわざがあるほど、昔から健康によい果物として親しまれてきたりんご。
夏からの疲れがたまり、朝晩の気温差で体調を崩しやすいこの季節に旬のりんごをいただきましょう。

Text by まち/食育インストラクター