もうすぐやってくる!秋茄子の訪れを待ちながら読む話

まだまだ暑い日が続きますが気候は少しずつ移り変わっていくので、店頭に並ぶ旬の野菜を見ていると、ちょっとずつ変化しているのが感じ取れます。
そして、8月下旬から9月にかけては、皆さんお待ちかね(!?)の「秋茄子」が出回る時期です!
今回はそんな秋茄子のちょっと面白いお話です。

秋茄子は嫁に食わ…せてもいいの!?

ナスといえば「秋茄子は嫁に食わすな」のことわざを思い浮かべる方もいらっしゃるのではありませんか?
いくつかの意味があり、どの説が正しいのかはっきりしていません。
「美味しい秋茄子を嫁に食わせるなんてとんでもない!」という嫁いびりのためかと思いきや、ナスに含まれる毒性を心配しての言葉でもあると言われています。
「ナスに毒なんてあるわけない!やっぱり嫁いびりなんだ!?」…いえいえ、実はナス科の植物にはアルカロイドという毒性成分(じゃがいもの芽の毒であるソラニンもこのアルカロイド系毒素です)が含まれているので、決して間違いとも言い切れないのです。
とはいえ、現代では品種改良が進んで、アルカロイドの含有量は大幅に抑えられているとのこと。
茄子だけを食べて中毒を起こすには一度に数トン単位食べなければならないようです。
中毒の前にお腹が破裂する方が先でしょうか…。
ということで、現代では毒性があるから説は一般的な量の範囲なら問題が無いということになります。


諸説ある中には、「秋茄子は体を冷やす作用があるため、妊婦には食べさせてはいけない」というものもあります。
ナスには確かに、利尿作用があるカリウムが含まれているので、身体を冷やす…といえないこともないのですが、野菜の中で数えてみても、そう突出した値ではありません。
従って、しつこいようですがこちらの説も、常識的な範囲であれば問題ない
という結論になります。
よって、秋茄子は嫁に食わ…せても大丈夫です!

秋茄子が美味しいのは、厳しい暑さが和らぐことで、エネルギーを実の方に割くことができるためです。
アミノ酸や糖といった美味しさのもととなる成分が実に行き届けば、味が良くなるのも頷けますね。
私も今年は暑さがマシになったと思ったその瞬間を見定めて買いに行ってきます!

Text by はむこ/食育インストラクター