鍋料理だけじゃない!どんな料理にも合う「春菊」は今がおいしい季節☆

鍋料理によく使われる春菊は、冬に旬を迎える緑黄色野菜です。
加熱調理して食べることが多いですが、やわらかい葉の部分は加熱せず、サラダなどにするのもおすすめです。

【野菜として食べられている国は意外と少ない!?】

春になると菊のような黄色い花が咲くことから「春菊」と名づけられました。
関西では菊の葉に似ていることから「菊菜」とも呼ばれています。
春菊の原産地はトルコやギリシャなどの地中海沿岸ですが、欧米では観賞用として用いられてきたため、野菜として最初に利用したのは中国だと言われています。
その後、室町時代に日本に伝わり、江戸時代には盛んに栽培されるようになりました。
現在においても欧米ではあまり香りが好まれず、食用としているのは日本や中国、東南アジアなど一部の地域だけのようです。
最近ではハウス栽培もされるようになったので一年中手に入りますが、多く出回るのは11~3月ころの寒い季節です。
千葉県、大阪府、茨城県で多く生産されています。

【「春菊」を選ぶときのポイント】

春菊は、東日本で多くみられる「中葉種」と中国地方、九州で多く栽培されている「大葉種」に分けられます。
中葉種は葉の切れ込みが深いのに対し、大葉種は切れ込みが浅いのが特徴です。
どちらの春菊も全体的に緑色が濃く色鮮やかで葉の先までピンとしているもの、切り口がみずみずしいものを選びましょう。
茎が太いものは育ちすぎてかたい場合があるので、少し細めのものを選んだ方がやわらかくておいしいです。
保存するときは湿らせたペーパータオルなどで包み、ビニール袋に入れて野菜室で保存します。
このときに立てて保存すると、より長持ちします。
日持ちしないので2~3日で使い切らない場合は、かためにゆでてラップで包み、冷凍庫で保存するとよいでしょう。

【「春菊」の嬉しい効能】

春菊は、β-カロテン、ビタミンE、K、葉酸などのビタミン類、カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。
なかでもβ-カロテンは、ほうれん草や小松菜を上回るほどです。
β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫力を高めます
脂溶性のビタミンなので、天ぷらや炒め物、油と和えてナムルにしたり、肉と一緒に調理したりと、油脂と一緒に使うことで吸収率がアップします。
春菊特有の香りには、胃腸の働きを促したり、せきを鎮め、のどの炎症を抑える効果があると言われています。


【春菊とベーコンのペペロンチーノ】

鍋料理や天ぷら、和え物などにしてもおいしいですが、たまにはちょっと違った使い方で春菊を楽しみたいですよね。
そこで今回は春菊たっぷりのペペロンチーノレシピをご紹介します。

<材料(1人分)> 調理時間:20分
スパゲティ(フェデリーニ)・・80g
春菊・・2~3本
にんにく・・1かけ
ベーコン・・1枚(20g)
赤唐辛子(輪切り)・・適量
オリーブオイル・・大さじ2

<作り方>

  1. 春菊は葉を摘み、2cm長さに切る。茎はななめ薄切りにする。
    にんにくは縦半分に切り、芯を取り除く。ベーコンは5mm幅の細切りにする。赤唐辛子は種を除く。
  2. たっぷりの湯に塩(分量外・湯の量の1%)を溶かし、スパゲッティを入れて袋の表示より1分短めにゆでる。
  3. フライパンにオリーブオイル・にんにくを入れて火にかけ、沸々してきたら弱火にしてにんにくを揚げ焼きにする。
  4. にんにくに火が通り、きつね色になったらベーコン・春菊の茎・赤唐辛子を入れ、軽く炒める。
  5. (4)に(2)のゆで汁(50ml)を少しずつ加えて乳化させ、火を止めてスパゲティ・春菊の葉を加えてよく和える。

葉の部分は火を止めてから加えることで、食感と香りをより楽しむことが出来ます。

鍋料理だけでなく、どんな料理とも相性のよい春菊。
さまざまな調理法で旬の味覚を楽しみましょう。

Text byまち/食育インストラクター