シャキシャキ食感がクセになる!陸の海藻「おかひじき」

海藻のひじきに見ためが似ていることから、陸(おか)に生えるひじきという意味でその名がついた「おかひじき」。
クセがないのでどんな料理にも合わせやすく、シャキシャキとした独特の食感が魅力です。

【今が旬!おかひじきとは?】

山形県の伝統野菜として知られるおかひじきは、ヒユ科オカヒジキ属の1年草です。
もともと、日あたりのよい海岸の砂地に自生していたおかひじき。
江戸時代初期に庄内浜で採れたおかひじきの種が、当時の主要交通路であった最上川を船でのぼり、船着き場であった内地に植えられたのが栽培のはじまりと言われています。
その後、昭和50年代に首都圏にも出荷されるようになりました。
現在では露地物とハウス栽培で1年中出回っていますが、3月下旬から出荷が多くなり、5~6月ごろから露地物が旬を迎えます。
おかひじきという名でよく知られていますが、緑色の藻の一種、海松(ミル)にも似ていることから、水松菜(ミルナ)と呼ばれることもあります。

【おかひじきを選ぶポイントとは?】

全体が鮮やかな濃い緑色で、葉先や茎にツヤがあるものが良品です。
茎が太いものは成長しすぎてかたい場合があるので、細いものを選ぶとよいでしょう。
すぐに調理しないときは乾燥しないようにビニール袋に入れるかラップに包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。
それでも日持ちはしないので、なるべく早めに食べきるようにしてください。
下ゆでしたものは冷凍保存することも可能です。
2~3週間を目安に使い切るようにしましょう。
定番のお浸しや和え物はもちろん、汁物の具にしたり、炒めたり、揚げたりとさまざまな料理が楽しめます。

【嬉しい効果がいっぱい!おかひじきの栄養】

おかひじきには体内でビタミンAに変わるβ-カロテンやビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類、カルシウム・カリウム・鉄などのミネラルが多く含まれています。
β-カロテン・ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持のほか、免疫力を高め、風邪予防に期待できます。
ビタミンKは、カルシウムと協力し、丈夫な歯や骨を作ります
そしてカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出してむくみの改善に、鉄は赤血球をつくる材料となり、貧血予防に効果的です。

おかひじきに豊富なβ-カロテンとビタミンKは油脂との相性抜群
おいしくてより効率よく栄養素が摂れるおすすめレシピをご紹介します。


【おかひじきの豚肉巻き】

おかひじきを豚肉で巻き、甘辛い照り焼きタレを絡めました。
冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにもおすすめです。

 

<材料(2人分)> 調理時間:15分
おかひじき・・1パック
豚薄切り肉・・10枚
塩・粗挽き黒こしょう・・少々
小麦粉・・少々
サラダ油・・小さじ2
Aしょうゆ・・小さじ2
Aみりん・・大さじ1
A砂糖・・小さじ1
A酢・・小さじ1
白いりごま・・適量

<作り方>

  1. おかひじきはよく洗い、根元1cm程度のかたい部分を切り落とす。
    熱湯で1分ゆでて冷水に取り、水気を絞って3~4cm長さに切る。
  2. 豚肉を広げて並べ、塩・黒こしょうで下味をつける。
    手前に等分にした(1)のおかひじきをおいてきつく巻き、小麦粉をまぶす。
  3. フライパンにサラダ油を熱し、(2)の巻き終わりを下にして転がしながら焼く。
  4. 豚肉に火が通ったら一度取り出し、同じフライパンにAを入れて火にかける。
    トロミがついたら豚肉を戻し入れ、テリが出るまで煮絡め、ごまを振る。

おかひじきのシャキシャキ感を残したいので、ゆで時間は通常よりも短くしています。
お浸しや和え物にして使うときは、2分程度ゆでると食感よく仕上がります。

普段はゆでてお浸しや和え物にして食べているという方も、ぜひ、炒め物や揚げ物にもチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
今回ご紹介したレシピのほか、天ぷらにするのもおすすめです。
そのときは、下ゆでせず、生のまま衣をつけてあげてください。
出来立てはサクッと、ゆでたものとはまた違う食感が楽しめますよ!

Text byまち/食育インストラクター