一生使う歯は、乳幼児期からのケアが大切!
今回は6月4日の虫歯予防デーにちなんだお話です。
【歯はいつから生える】
最初の歯は、だいたい生後6~9カ月ころに下の前歯2本が生えてくる子が多いです。
そのあと、上の前歯2本が生え、徐々に横の歯も生えていき、離乳食から幼児食に移行するころには奥歯が生え始める子も出てきます。2歳半~3歳ころになると、20本の乳歯が生えそろいます。
歯が生えるタイミング・どの歯から生え始めるかなどは個人差が大きいので、月齢などが近いお友達とつい比較してしまうこともあると思いますが、一人で悩まず、気になる場合は小児歯科に相談すると安心です。
【虫歯菌はどこからやってくる】
気がついたら子どもに虫歯が・・・ということがありますが、私たちは最初から虫歯菌を持って生まれてきたのでしょうか。
答えは「ノー」です。
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌は存在していません。
しかし、自分より年上の人と接することでその人が持っている虫歯菌がいつの間にか口の中に入ってしまい、数が増えてやがて虫歯になるのです。
感染しやすい時期は1歳半前後~3歳手前くらいが特に多いのだそうです。
感染源は、虫歯菌を持った兄弟や親とスプーンやはし・皿などの共有です。
また乳幼児期は、保育園や幼稚園などの集団生活でお友達からもらってしまう可能性もあります。
【歯磨きはいつから】
歯磨きは、最初の1本目が生えてきたら始めるのがよいとされています。
最初の歯は離乳食が始まるくらいに出てくることが多いので、「まだ固形物を食べたり、甘いお菓子を食べているわけじゃないから歯磨きなんてしなくても大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
離乳食初期は固形の食べ物をそのままかじり取るわけではありませんが、固形だったものをすり潰したりして与えているので、ごく小さな粒状の食べ物が口に入っている状態です。
また歯の表面はツルツルとしているわけではなく、凹凸や穴などがあって食べ物が付着しやすい構造のため、離乳食初期であっても歯に汚れは付着します。
しかし、生えはじめの頃は唾液の分泌も多く、汚れが取れやすい口内環境が比較的整っていますし、食べているものもしつこい汚れとなるものは少ないため、そこまで神経質になる必要はありません。
慌てなくてよいので、歯が生える兆しが見えたら、まずは赤ちゃん用の歯ブラシを準備して、くわえさせてみることから始めましょう。
それと同時に、ママやパパが口の周りを触ってみたり、赤ちゃんが寝転がった状態で上から顔をのぞいてみたりすると歯磨きをするときの姿勢にも慣れていきます。
【歯医者さんにはいつから通うべき?】
いつから歯医者に通うかは、親の判断によるところが大きいですが、歯が生え始める0歳に歯医者デビューを推奨する歯科医が多いようです。
我が家は通える距離に小児歯科医のいる歯科医院があり、そこに通っていますが、上下それぞれ4本ずつ、計8本位が生えたら何もなくても歯医者に来てくださいと言われ、現在通っています。
定期健診という形で3~4カ月に1回のペースで通院し、主に歯並びと歯の汚れチェック・フッ素を塗る・親へのブラッシング指導などが行われます。
我が家の子どもは歯が8本生えたころから通っていますが、幼児食期を迎えている現在、毎日しっかり歯を磨くのが日に日に大変になってきています。
歯磨きをすること自体は嫌いではないようなのですが、自分でやりたい!!が強く、まだ長くはじっとしていられないため、先日の健診ではちょっと汚れが目立っていました。
歯磨き後に歯を拭くシートで歯を拭いて、歯磨き後にご褒美であげる歯磨き用タブレットなども使用しつつ何とかやっています。※歯磨き用タブレットは、念のため歯科医に使用しているものを見せて許可をもらってから使っています。
【仕上げ磨きはいつまで】
皆さんは子どもの歯磨きの仕上げをいつまでやっていましたか。
またはやろうと思っていますか。
乳歯は小学校に上がる少し前の5歳半ころから抜け始める子が多く、途中小休止を挟みながら10~12歳ころまでにすべての乳歯が永久歯に置き換わります。
その間は、乳歯と永久歯が一緒に生えていますが、乳歯は永久歯と比べると小さく、表面のエナメル質も弱いので、虫歯になるリスクが高いです。
永久歯は、乳歯と比べれば歯自体が強くなっていますが、隣に虫歯になりやすい乳歯があれば、虫歯のリスクは当然高くなります。
小学生になるといろいろなことが出来るようになりますが、しっかりと歯を磨いているつもりの大人でも、虫歯になってしまうことがあります。・・・ということは、子どもだけですみずみまで磨くのは難しいので、可能であれば小学校卒業くらいまで仕上げ磨きは継続してください。
磨けているか気になるときは、学校でやるような歯石があると歯がピンク色に染まる「歯石チェッカー」が市販されていますので、子どもの苦手な歯磨きの箇所が分かります。
大人が仕上げ磨きをしたあとに使えば、仕上げ磨きで磨き残ししやすい歯もわかるのでおすすめですよ。
歯は一生必要なものです。
欠損しても入れ歯や差し歯などで代用が可能ですが、入れ歯や差し歯の方にお話を伺うと、やはり自分の歯で食べていたときとは違うという方が多く、自分の歯の方がおいしく感じるというお話も聞きました。
少しでも長く自分の歯で食事が出来るように、子どもの歯と向き合っていきましょう。
いかがでしたか。
日本には8020運動というものがあります。
これは80歳でも自分の歯を20本以上保てると、咀しゃく力を維持出来、楽しく健やかに過ごせるというものです。
歯の健康は小さい時からのケアが大切です。
6月4日の「虫歯予防デー」を機に、家族の歯について確認してみてはいかがでしょう。
Text by さゆり/食育インストラクター