子どもたちは嫌いな食材があると食事が進みませんね・・・。
さまざまな食材から栄養を摂って「健康的に成長して欲しい」と思う親心はなかなか伝わらないものです。
では、どうしたら食べてくれるようになるでしょうか。
今回は子どもの苦手率が高い食材別のお話です。
【苦手の要因】
子どもの苦手食材に対する苦手理由は味だけではありません。
「食感」や「香り」・「見た目」・「食材の大きさ」・「友達の影響」・「食べにくさ」など、要因はさまざまです。
食材ごとに苦手なポイントが違いますので、いくつかご紹介します。
●ピーマン
苦みや青臭さ・表面のかたい皮の食感が苦手なパターンなどがあります。
ピーマンは、縦切りと横切りでは、横切りの方が苦みなどを強く感じるといわれていますので、苦味が苦手な場合は縦切りにしてみましょう。
苦味や青臭さ・かたさは、じっくり加熱することで軽減されます。
また切ってから一度冷凍すると、苦味や香りなどが弱くなり、食感もやわらかくなります。
まとめて切っておけば、調理時間の短縮にもなりますね。
うま味の強い食材との相性がよいので、ツナやウインナー・かつお節などと一緒に調理し、少しだけ濃い味つけにするのも方法のひとつです。
油でまわりをコーティングするとにおいがマスキングされるので、ごま油など香りのある油も取り入れてみてください。
●きのこ類
きのこ類は、独特の香りや味のほか、えのきのように歯に挟まるのが嫌、などがあります。
きのこは水分が多く、火を通すと小さくなるため、細かく刻むのは理にかなっています。
えのきやエリンギは縦の繊維が長いので、えのきは2~3cmくらいに切る・エリンギは輪切りにしてから細切りにするなど、繊維を断ち切ると食べやすいです。
炊き込みご飯にすると、炊いている間の圧力などできのこの繊維もあまり気にならないくらい食べやすくなります。
エリンギやしいたけ・しめじは火の通りが甘いと酸っぱいような独特の味になることがあるので、しっかり火を入れましょう。
火を通すとぬめりが出るものもあるので、トロミをつける料理にすると食べやすいですね。
またにんにくやしょうがといった香味野菜との相性もよいです。
強火でこうばしく炒めたきのこの仕上げにバター・にんにくのみじん切り、しょうゆを入れたソテーなどは、香りと味・食感のよさで食べてくれる確率が上がるかもしれません。
●いんげん
いんげんは、火が通ってないと青臭さが出たり食感がかたくなりますが、火を通し過ぎてもムニムニしたり水っぽかったりと意外とおいしい状態が難しい野菜です。
子どもの苦手パターンがどちらなのかにもよりますが、かたいのが苦手な子であれば冷凍のいんげんを使うのも方法のひとつです。
冷凍すると細胞が壊れてやわらかくなるので、生のものを調理するよりもやわらかく仕上がりますし、青臭さも軽減されます。
逆にやわらかいのが苦手であれば、冷凍のいんげんではなく、生のものを使いましょう。
いんげんは「筋なしタイプ」のものも多く出回っていますが、意外と歯に挟まったり、噛み切りにくい食材です。
大きく成長したものは、それだけかたくなって筋っぽさがあるので、細めのものを選ぶとよいです。
●トマト
かなり好き嫌いが分かれる食材です。
苦手な子は、中のゼリー質や皮が苦手という場合が多いですね。
うちの子どももトマトが苦手ですが、大きなトマトよりももっとミニトマトの方が苦手だそうです。
「口の中で皮がプチっとはじける感じがたまらなく嫌!!」なんだとか。
本人のリクエストで、ミニトマトは切って出していますが、最初は1/4カットだったものが、最近では1/2カットのサイズでも食べられるようになりました。
また、生のトマトは嫌いだけど、ケチャップのような加工品やミートソースのようなものは食べられるという場合も多いですね。
その場合は、食べられる形状の中に、少し苦手な形状のものを入れて食べてもらうとよいかもしれません。
トマトは形をなくした調理もしやすいので、すりおろしてハンバーグの肉だねに入れてしまうのもおすすめです。
●レバー
栄養が高い食材ですが、くさみや食感の苦手率が高い食材です。
鶏や豚・牛のレバーが一般的ですが、鶏のレバーは比較的食べやすいです。
濃い味つけやしょうがなどの香味野菜と合わせるのもよい方法です。
豚や牛のレバーは、鶏よりも臭みが強く、モソモソっとした食感になりやすいですね。
にんにくやしょうが・しょうゆ・酒などで下味をつけ、片栗粉や小麦粉でコーティングして油で揚げたり焼いたりするとモソモソ感が軽減出来ます。
なるべく薄切りにして調理すると食感がよくなりますよ。
そして、レバーで大切なのは鮮度です。
鮮度が落ちるとその分においがきつくなりますし、衛生面も気になるところです。
水分が出ていたり、ハリが無くなっているものは避けましょう。
●魚介類
魚は骨を取るのが苦手で食べないパターンも多いですね。
最初は大人が取ってあげてもよいですが、年齢が上がって箸使いが上手になってきたら、背骨などは自分で取ってもらうなど、簡単な骨取りから挑戦していきましょう。
血合いの多い魚はレバー同様においが気になることがありますので、鮮度の良いものを選びましょう。
魚は背側と腹側の身があるので、まずは腹側のあまり血合いがついていない方を子どもに食べさせ、慣れてきたら背側に移行すると食べやすいです。
また、塩をして余分な水分をしっかり取るだけでもくさみが軽減出来ます。
イカやタコは噛み切れなくて苦手なパターンが多いので、細かく切り込みを入れたり、薄めに切ってください。
貝類は、独特の味や食感が苦手であれば、みそ汁などは汁だけを飲ませてみる・小さめの貝をまずは1個食べてみるなど、徐々にステップアップしてください。
いかがでしたか。
「見えなくする戦法」はもちろん有効な場合も多いです。
しかし、「入っていた・・・」と気がついたときの嫌悪感がまたトラウマになることもあるので、ときには形が見える切り方や調理法で、入っていることをアピールし、挑戦する気持ちをあと押ししてあげるのもよいでしょう。
食べてみたら意外と「おいしかった!」「この調理法・味つけなら食べられる」という新たな一歩を踏み出せるかもしれません。
子どもの自信にも繋がるので、やってみてくださいね。
Text by さゆり/食育インストラクター