自律神経と食事のあれこれ

現代ではストレスが原因となる、心身の不調について注目されてきています。
人間の体の中でもストレスの影響を受けやすいのが、自律神経です。
今回は自律神経と食事の関係についてお話します。

【自律神経とはどんな存在?】

自律神経は神経系の中で、物をつかんだり走ったりといった体を動かす運動神経とは別に、呼吸をするなどの生命維持に欠かせない機能をコントロールしている神経です。
自律神経は自分の意思では動かすことができず、自動的に働いています。
つまり、自律神経が不調になったときに、「自律神経のバランスを調節しよう」と思っただけでは改善することはありません。
また、意識していない自律神経の不調そのものに気づくことが難しいといった点があります。
ストレス由来の体調不良になっているのに自覚症状が乏しい場合は、これらのことが影響していると考えられます。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分けられています。
交感神経は心身を活動的にするために使われ、副交感神経は休息するときに使われています
この2つがバランスよく働くことで、人間の1日の活動を支えているのです。

【自律神経のバランスが乱れるとどうなる?】

交感神経と副交感神経は時間帯によってどちらが優位になるか決まっています。
活動していることが多い昼間の時間では交感神経が、就寝に向けて体を休める夜の時間帯には副交感神経が優位になりやすいのです。
しかし、現代の働き方は多種多様で、副交感神経が優位になる夜間でも活動しなければいけない=夜でも交感神経を働かせているケースが多く、自律神経のバランスが乱れやすいのです。
また、ストレスによる心身への負荷がかかることでも交感神経が優位になりやすく、身体が過度に緊張状態のままになり、血流が悪くなりがちに。
そこに不規則な食事などが重なると、さらに自律神経のバランスが乱れます。
特に、休息が必要なタイミングで副交感神経が優位にならず、睡眠の質が落ちたり、消化器がうまく働かずに消化不良を起こしやすくなったりといった問題が発生しやすくなります。


【自律神経に良い食べ物はあるか?】

自律神経を整えるには規則正しい生活と栄養バランスのよい食事が一番です。
しかし、「明日から規則正しい生活に切り替えよう!」と即日改善できる環境なら、自律神経が原因となる不調に悩まされることは少ないはずです。
もちろん、できる範囲で規則正しい生活を心がけることは重要ですが、それが難しい場合には、別のアプローチとして、自律神経を整える食べ物は無いか?と考えますよね。
自律神経を整えるのに役立つとされる食品には、必須アミノ酸のトリプトファンを含む鶏むね肉やバナナ・大豆製品などがあります。
トリプトファンはセロトニンやメラトニンなどのホルモンの材料となり、自律神経を整えるのに役立ちます。
そのほか、リラックス効果のある香気成分を含む食べ物を取り入れるのもよいでしょう。
柑橘系の果物やジャスミン・バジルなどに含まれるリナロールは、鎮静効果があり、副交感神経に働きかけ、リラックス効果を高めるとされます。
これらの食べ物はルーティンとして生活に組み込むのもよいでしょう。
実践しやすいものでは、おやつにはバナナを食べるようにする・気分が落ち着く香りの飲み物を寝る前に飲むなどがあります。
飲食後に副交感神経が優位になるスイッチとなり、休憩の質が高まったり、入眠しやすくなる、などの例があります。
一方、アルコールやカフェイン飲料などは交感神経を刺激し、自律神経の乱れの原因になることもあるので、量を控える・なるべく夜に飲まないようにするなど、過剰摂取しないことを心がけましょう。

何かとストレスの多い現代。
自律神経による症状が出る前に、なるべく生活時間が不規則にならないように、そして自分に合った休息方法を覚えておくことで、日々の生活の質を高めることができるようになります。
続けやすいものを選んで取り入れてみて下さいませ。

Text by はむこ/食育インストラクター