そのルーツは日本刀!?調理に欠かせない道具「和包丁」について

料理を作る時に欠かせない道具である「包丁」。
包丁にも様々な種類があり、用途に応じて使い分けることで、料理がよりおいしく、そして美しく仕上がります。
包丁には大きく分けて「和包丁」と「洋包丁」がありますが、今回は和包丁のお話です。

【和包丁が誕生したそのルーツとは?

包丁のルーツをたどれば、石器時代に尖った石を料理に使っていたのが、包丁の最も古い形と言われています。
その後、時代は一気に飛び、江戸時代。
戦国時代に比べ大きな争いが無くなり、太平の世に。
そのため、武器である日本刀がなかなか売れないことから日本刀を作る技術を用い、本格的な包丁作りが始まりました
その頃に、今日本で使われている和包丁が完成していたとも言われています。

【和包丁と洋包丁の違い

パッと見ただけではどこが違うのか分かりにくいかと思いますが、刃先を見てみるとその違いが分かります。
洋包丁が左右どちらにも刃がついている「両刃」に対して、和包丁は片方にしか刃がついていない「片刃」がほとんどです。
和包丁に片刃が多いのは、切った素材が離れやすく、素早く刻めるからとされています。
また、刃が素材に鋭くくい込むため、素材の組織を崩すことなく切れるので、美しい断面に切ることが出来ます。


【包丁の材質について

包丁の刃には、「鋼製」「ステンレス製」などがあります。
切れ味がよく、耐久性があるのは鋼製ですが、使用後すぐに水気を拭き取らないとすぐに錆びてしまいます。
一方、ステンレス製は錆びにくいので手入れは簡単ですが、鋼よりも強度がないので、切れ味も耐久性も劣ります。

【主な和包丁の種類

■出刃包丁
主に魚介や肉を切る時に使う包丁です。
刃が厚く重みがあるので、魚や肉を骨ごと切ったり、食材を細かく叩くのに向いています。

■刺身包丁(柳刃包丁)
主に刺身を切る時に使う細長い刃が特徴の包丁です。
刃渡りが長いので、刺身を引く(切る)時に素材が崩れず、断面がキレイで角の立った美しい刺身に仕上がります。

■薄刃包丁
野菜を切るのに適した包丁です。
刃がまっすぐで平らなため、刻んだり皮をむくのにとても便利です。
関東型と関西型があり、関東型は刃先が四角くなっているのに対し、関西型は刃の先が鎌形になっているため、「鎌薄刃包丁」とも呼ばれています。

■菜切包丁
家庭でもよく使われている両刃の包丁です。

この他にも、はもの骨切り専用の包丁や、うなぎを割く包丁など、和包丁だけでも数十種類あると言われています。

素材に合った包丁を使う事で、料理の見栄えも味も格段に変わります。
ご家庭で何本も揃えるのは難しいですが、自分が使いやすい包丁を見つけ、毎日の料理をさらに楽しみましょう!

Text by まち/食育インストラクター