食育って何だろう?世代別の食育を実践してみよう☆~シニア編~

「食育」は生きる上での基本であり、子どもはもちろん、あらゆる世代に必要とされています。
今回は、“70代以降の方(シニア世代)”にスポットをあて、日々の生活の中で実践できる食育をご紹介していきたいと思います☆

【シニアは、ここに気を付けたい!

●塩分量
厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、食塩摂取量の1日あたりの目標量は成人男性が7.5g未満、女性が6.5g未満に引き下げられました。
また、高血圧の予防・治療のためには、男女とも1日6g未満にすることが望ましいと言われています。
食塩の摂り過ぎは、高血圧をはじめとする生活習慣病に深く関わるので注意しましょう。
食材の選び方や調理法の工夫で、塩分控えめでもおいしい食事を作ることができますよ☆
少しずつ薄味に慣れていき、素材のそのものの味をいかした料理を楽しみましょう。

●食欲や食事量の低下(栄養不足)
シニア世代は、食が細くなる・調理がおっくうになることから、量や品数が減りがちです。
近年、中高年の肥満が増加し、肉や脂肪を控えるようにという情報に触れることがありますが、食事量が減っている人が中高年向けの食事法をそのままとり入れてしまうと、低栄養状態に陥るおそれがあります。
低栄養状態になると、血管の壁がもろくなるほか、ウイルスに対する抵抗力が衰え体力が低下します。
さらに、認知症の発症リスクにも影響を及ぼすと言われています。
低栄養は老化のスピードを早めてしまうため、シニア世代はいろいろなものを“しっかり”食べることが大切です。
なかでも、健康な体づくりに欠かせない「たんぱく質」は、積極的に摂りましょう!
(ただし、食事の制限をうけている方は、かかりつけ医の指示に従ってください。)
そして、食欲を増進させるには、カレー粉などの香辛料や、しょうが・大葉・梅干しなどの薬味が効果的です。
また、季節を感じる食材や美しい盛りつけなど、おいしそうな見ためにもこだわってみましょう。


【「痩せ」には注意!

食事が十分にとれないと低栄養になり、痩せてきます。
東京都健康長寿医療センターの調査では、BMIが20以下の「細い人」の生存率は、「太い人」「少し太い人」「少し細い人」より、顕著に低いという結果が報告されています。
低栄養による痩せ過ぎに注意しましょう。

●フレイル(虚弱)
今年、全世界で大流行している新型コロナウイルス感染症は、高齢者や基礎疾患がある方は重症化しやすいことが明らかになっています。
自分自身、そして家族を守るために、手洗いを中心とする感染予防が必要です。
また、人が多く集まる場所を避けることなどが言われており、家に閉じこもりがちになりますが、高齢者にとっては合わせて「動かないこと(生活不活発)」による健康への影響が危惧されます。
「生活不活発」によりフレイル(虚弱)が進み、心身や脳の機能が低下していく可能性があります。
動かない時間を減らし、自宅でもできるちょっとした運動でフレイルを予防しましょう。

【自宅でできるフレイル予防

①座っている時間を減らす
家の中でも、立ったり歩いたりする時間を増やすことが重要です。
テレビのCM中に足踏みしてみるなど、体を動かしましょう。

②口内を清潔に保つ
口内を清潔に保つことは、感染症予防に有効です。
毎食後や寝る前の歯磨きを徹底し、義歯も綺麗にしましょう。
そのほか、口周りの筋肉を維持することも大切です。
1日3食しっかり噛んで食べ、噛める方は意識して少し歯ごたえのある食材を選ぶようにしましょう。
また、自粛生活で人と話す機会が減ると、口の筋力が衰えて発声しづらくなってしまう可能性もあります。
電話を活用し、意識して会話を増やすほか、鼻歌や早口言葉もおすすめです☆

③人との交流をもつ
高齢者は、人との交流がとても大切です。
外出しにくい今の状況こそ、家族や友人が互いに支え合い、意識して交流しましょう。
ちょっとした挨拶や新型コロナウイルス感染症に関する情報の共有も、トラブルや不安の解消に繋がりますよ☆

いかがでしたか?
いつまでも若々しく元気で過ごすために、今回ご紹介した「食育」をぜひ実践してみてくださいね☆

Text byろい/食育インストラクター