食育って何だろう?世代別の食育を実践してみよう☆~中高年編~

「食育」は生きる上での基本であり、子どもはもちろん、あらゆる世代に必要とされています。
今回は、“40~60代の中高年”にスポットをあて、日々の生活の中で実践できる食育をご紹介していきたいと思います☆

【中高年は、ここに気を付けたい!

●体重の変化
以前、『食育って何だろう?世代別の食育を実践してみよう☆~若者編~』でもご紹介しましたが、厚生労働省は1日に350g以上の野菜を摂取することを目標としています。
しかし、実際には280gほどしかとれていないというデータがあります。(平成30年「国民健康・栄養調査」参照)
中高年になると代謝が下がり、食べている量や食事内容はあまり変わっていないのに若いころよりも太りやすくなります・・・。
カロリーを抑えようとして単純に食事量を減らすと、満足感が得られず長続きしません。
食事量は減らさずカロリーを抑えるには、野菜などを使った副菜や汁物を組み合わせるのがおすすめです☆
品数が増えると、見ためや味も楽しめて満足感が高まりますよ♪
“中年太り”を避けるために、まずは自分の適正体重を知り、食事を見直してみることから始めましょう☆
※適正体重は、『身長(m)×身長(m)×22』で簡単に計算することができます。

●脂質や塩分、アルコールの摂取量
働き盛りの中高年の男性は外食する機会が多く、脂質や塩分、アルコールを多くとりがちです。
これらの過剰な摂取は生活習慣病のリスクを高めるので、注意が必要です。
なかでもアルコールは、仕事の席や付き合いなどで口にする機会が多く、まったく飲まないというのはなかなか難しいものですよね・・・。
アルコールの「適量」は、体重・性別・年齢・アルコールの分解能力の違いなどにより個人差があります。
厚生労働省が推進する「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は1日平均純アルコールで約20g程度とされています。
純アルコール20gは、以下の酒量に相当します。

●アルコール度数7%の缶チューハイだったら1本(350ml)
●アルコール度数5%のロング缶ビールだったら1本(500ml)
●ワインだったらグラス2杯弱(200ml)

一般的に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅い傾向にあります。
体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は臓器障害を起こしやすいため、女性は男性の1/2~2/3程度が適当と考えられています

適度なアルコールは心身をリラックスさせてくれます。
しかし、酒類はあくまで嗜好品で、食事の代わりにはなりません。
お酒が好きな方は、1回に飲む量や飲酒の頻度を減らすなど、飲み過ぎないようにしましょう。


<おつまみ選びのポイント☆>
肝臓に負担をかけないためには、食事をしながらお酒を飲むことが大切です。
ただし、お酒は食欲を増進させるので、食べ過ぎないように注意したいものです。
一緒に食べるおつまみは、油の多い揚げ物や塩分の高いお新香などが多くなりがちですが、良質なたんぱく質がとれる主菜やビタミン・ミネラル豊富な野菜、海藻類を使った副菜を上手に選び、楽しく飲みましょう☆

●早食い
1回の食事のそしゃく回数と食事時間を調べた研究によると、戦前の食事は1420回噛み、約22分かけていたのに対し、現代の食事は620回で約11分と、噛む回数・食事時間ともに半分ほどに減っています。
また、早食いの習慣がある人ほど肥満度が高いというデータもあります。
よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく食欲が抑えられます。
そのほか、脳の活性化や唾液の分泌が増え、消化を助けるなどの効果も得られます。
まさにいいことづくめですね♪
やわらかいもの、忙しくても手軽に食べられるものばかりでは、噛む回数も食事時間も増えません。
“根菜などの噛み応えのある食材をとり入れる”、“よく噛んでゆっくり味わって食べる”ということを意識しましょう。

中高年は体の不調を感じやすい年代です。
その不調を解消する糸口は、食事や生活習慣にあるかもしれません。
皆さんもぜひ、自分の体と向き合ってみてくださいね☆

Text by ろい/食育インストラクター