
毎日何気なく使っている「箸」ですが、いつから使われるようになったのか、どんな箸があるのかご存知ですか?
今回は箸の種類や覚えておきたい箸のマナーについてのお話です。
【箸の歴史】
箸は紀元前2~3世紀ごろから中国で使われはじめたとされています。
日本には6世紀ごろ、仏教の伝来とともに伝わりました。
その前から箸が使われていたようですが、当時は食事の道具ではなく、神様へのお供え物に直接触れて汚さないようにするための「神器」であったようです。
はじめて食事に箸をとり入れたのは、聖徳太子だと言われています。
それをきっかけに貴族の間で箸食が広まり、その後、奈良時代には庶民の間でも箸食文化が浸透していきました。
奈良、平安時代初期までは箸とさじを使う、中国式の食事作法でしたが、平安時代中期には箸のみの食事作法に変化していきました。
現在、箸を使う国は世界の人口の約30%。
日本のほか、中国、韓国、台湾、ベトナム、タイなどの国です。
ほかの国では箸と一緒にスプーンやレンゲなどを使うため、箸だけで食事をしているのは、日本だけのようです。
【なぜ、「箸」というの?】
「箸」という名前の由来には諸説ありますが、今回はそのなかから3つご紹介します。
①鳥がくちばしで食べ物をつまむ様子に似ていることから、くちばしの「ばし」が「はし」になった
②食べ物を口へと橋渡しすることから「はし」になった
③神様や人の命が宿るとされている柱から「はし」になった
【箸の種類】
箸には祝いごとや正月に使う「ハレの箸」と日常使いする「ケの箸」に分かれます。
<ハレの箸>
■柳箸
両端が細く、中央が少し太くなっている「両口箸」で、壊れたり折れたりといった縁起の悪いことがないよう、折れにくい柳で作られた「ハレの箸」です。
箸の一方を神様が使い、もう一方を人が使って神様と同じ食事をいただき、神様の力をとり入れる「神人共食(しんじんきょうしょく)」という意味を持っています。
長さは末広がりの八にちなみ、八寸(約24cm)と決められています。
柳は、春一番に芽を出す「めでたい」縁起のよい木で「家内喜(やなぎ)箸」とも呼ばれています。
■利休箸
両端が細く、中央がやや膨らんでいる箸です。
安土桃山時代に千利休によって考案されたものだと言われています。
杉や檜、松などで作られていますが、赤みのある杉で作られた赤杉の箸は、最も上質でおもてなしにピッタリとされており、「ハレの箸」として使われています。
<ケの箸>
■天削箸
割り箸の天(持ち手側)をななめに削った片口の割り箸です。
料理を挟む部分だけが面取り加工されており、天を削ぐのは、箸の上下を逆さまに使わないという意味がこめられています。
竹製、木製など素材はいろいろありますが、杉の木で作られたものが最も高級とされており、高級和食店や料亭などで主に使われています。
■元禄箸
割れ目に溝があり、箸の4つの角を削ってなめらかにしてあるものを元禄と言います。
定食屋やコンビニなどで用いられる、気軽に使える割り箸です。
【自分に合った「箸」を選ぼう】
箸は毎日使うものだから、自分に合ったものを選びたいですよね。
自分に合った箸を見つけるには、何をポイントにしたらよいのでしょうか?
箸を選ぶときにまず見てほしいのは、「長さ」です。
箸のサイズは「一咫半(ひとあたはん)」が持ちやすいとされています。
一咫とは、親指と人差し指を直角に広げ、親指と人差し指の先を結んだ長さのことです。
つまり、一咫半はその1.5倍。
一般的に成人男性は23cm前後、成人女性は21cm前後なので、目安にして選んでみてください。
そして、長さのほかに「持ちやすさ」も重要です。
箸には「丸」、「八角」、「五角」、「四角」などの種類があります。
それぞれの特徴をまとめましたので、参考にしてください。
- 丸・・角が無いので持ちやすく、力を入れずに握りやすい
- 八角・・丸に近い持ちごこちで、面があるのでほどよい安定感もある
- 五角・・指と指の間に箸の角が収まるので、キレイな持ち方がしやすい
- 四角・・面が広いので安定しやすい
【やっていたら恥ずかしい 「嫌い箸」に気をつけて】
嫌い箸とは、「忌み箸」、「禁じ箸」とも呼ばれる、日本の箸食文化におけるマナー違反や不作法とされる、お箸の使い方です。
今回はついやってしまいがちな「嫌い箸」を5つご紹介します。
●逆さ箸
大皿料理や鍋料理などを取り分けるときに、箸を上下逆さにして用いる行為のことです。
自分の箸は使わず、取り箸を使いましょう。
●渡し箸
食事の途中に、箸を食器の上に渡しておく行為のことです。
これは「ごちそうさま」という意味を表すので、食事中の場合には、箸置きを使うようにしましょう。
●迷い箸
「どれを食べようかと迷い」、箸を持ったまま料理の上であちこちと動かす行為のことです。
●指し箸(突き箸)
料理を箸で突き刺す行為のことです。
大きくて箸でつかめないものは、ひと口大に切ってから箸で挟むようにしましょう。
●なぶり箸
箸についた料理を口に入れてなめる行為のことです。
見た目が美しくないだけでなく、一緒に食事をしている人に不快な思いをさせてしまうので、気をつけましょう。
8月4日は「は(8)」、「4(し)」の語呂合わせから制定された「箸の日」です。
この機会に自分にあった箸や箸のマナーなどを見直し、毎日の食事時間をおいしく楽しく過ごせるようにしたいですね。
Text by まち/食育インストラクター




