
「食品添加物」と聞くと、あまり体によくなさそうだとイメージされる方も少なくありません。
しかし、食品添加物を避ければ、絶対に安全な食品ができあがるのかというと…?
今回は食品添加物についてのお話です。
【食品添加物の役割】
食品添加物は食品衛生法にもとづき「保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用される」もののことを言います。
一言で食品添加物と言っても、添加する目的はさまざまです。
この添加物のなかには、天然の食品を由来とするものも多数あり(既存添加物・天然香料など)、添加物=すべて人工的に合成されたものばかりではありません。
また、食品添加物は食品の保存性を高める、つまり、食中毒を予防するために添加されているものもあります。
例えば、ハムやソーセージなどの加工肉類に使用されることの多い亜硝酸ナトリウムやソルビン酸は色を鮮やかにする効果がありますが、食中毒の原因菌の1つであるボツリヌス菌の増殖を抑えることもできるため使用されています。
また、加工野菜などの漂白に使用される亜塩素酸ナトリウムは、食中毒菌の殺菌効果もありますが、野菜に残らないように使用することが定められているなど、安全性に考慮した使用量が決められています。
これらの事柄を含めて考えると「無添加と表記されている=絶対に安全」・「食品添加物を使用している=健康によくないもの」だとは決めつけず、どんな目的でどんなものを使用しているのか?ということを見極める力を持つことが大事なのです。
【なぜマイナスイメージが強いのか?】
発色・味つけだけではなく、安全性を高める目的で使用されることもある食品添加物。
でも、なぜ健康によくないものだというイメージがついているのでしょう?
日本では1950~70年代にかけて食品添加物の使用が大きく増え、いろいろな食品に使用されていました。
しかし、50年代には食品添加物によって多数の被害が出た事件があったり、その後も複数の食品添加物で発がん性のリスクがあるなど、健康への問題が指摘されるようになりました。
そうしたことで消費者意識が高まり、食品添加物の使用にあたって法改正が進められ、改めて使用可能な食品添加物の精査が行われるようになった、という歴史があります。
2026年現在の食品添加物の使用基準は、こうした流れを汲み、専門家が厳しい基準を設け、それをクリアしたもののみが使用を認められています。
また、使用した食品添加物は原則としてすべて成分表示に記載する必要があるため、食品表示を確認することで、使用の有無がわかるようになっています。
これらのことから、食品添加物が含まれている食品を食べたからといっても、ごく常識的な量を食べている分には、特に心配しすぎることはないといってよいでしょう。
ちなみに、この決まりは輸入食品についても対象となるため、日本で使用できない食品添加物を使った海外製の食品を日本で販売することはできません。
そのため、日本国内で購入する食品であれば、海外製の食品であっても使用基準をクリアしていると考えてよいでしょう。
歴史的な事件などもあって、何かと悪いイメージを抱きがちな食品添加物ですが、保存性を高める効果があるなど、安全性の向上のために使用される場合も多いものです。
正しい知識を身につけ、食べる量をきちんと決めた上でつき合っていけるとよいですね。
Text by はむこ/食育インストラクター




