覚えておきたい!お菓子の材料の役割

お菓子を作るときに「なぜこの材料が入るの?」、「この材料がないけど、ほかのものでも大丈夫?」と思ったことはありませんか。
お菓子にはいろいろな材料が使われますが、今回は洋菓子作りの基本となる「小麦粉」、「砂糖」、「卵」の役割についてご紹介します。

【小麦粉の役割と種類】

小麦粉には生地の骨格を作る役割があります。
小麦粉に含まれるたんぱく質に水を加えて練ると「グルテン」が形成され、フワフワやサックリとした食感が生み出されます。
このグルテンの形成量で区分されているのが「薄力粉」と「強力粉」。
これらにはどんな違いがあり、どんな用途で使われるのでしょうか。

■薄力粉
薄力粉のたんぱく質含有量は8.5%前後で、グルテンが弱いのが特徴です。
焼き上がった生地はやわらかく、しっとりと仕上がるほか、よく膨らむことからお菓子を作るときによく用いられます。

■強力粉
強力粉のたんぱく質含有量は12%前後で、グルテンが強いのが特徴です。
生地の伸びがよく、粘性が増すことからパン作りには強力粉が使われます。

薄力粉は口あたりが軽くきめの整った生地に、強力粉は歯ごたえが強くザクっとした食感になることから、両方をブレンドしてお菓子を作ることもあります。

【砂糖の役割と種類】

甘味をつける役割のほか、生地をしっとりさせたり、おいしそうな焼き色をつけるのに欠かせません。
お菓子作りによく使われるのが「グラニュー糖」ですが、味や用途に合わせ、ほかの砂糖も使われます。

■グラニュー糖
結晶が大きく、サラサラ
しているのが特徴です。
クセのないすっきりとした味わいからお菓子のほか、ジャムを作るのにも適しています。
お菓子作りには、通常のグラニュー糖より粒が細かい「微粒子グラニュー糖」がよく用いられます。

■上白糖
国内で最も生産されている砂糖です。
結晶の大きさはとても細かく、転化糖を含む『ビスコ』と呼ばれる糖液をかけて仕上げられているので、しっとりとしています。
甘みの中にほどよいコクがあり、和菓子を作るときによく用いられます。
また、スポンジケーキやバターケーキなど、グラニュー糖を上白糖に置き換えると、しっとりとした仕上がりになります。

■粉砂糖
グラニュー糖をすりつぶして粉状にしたもの
です。
きめが細かく、混ざりやすいのでアイシングなどに使われます。
材料にコーンスターチやオリゴ糖などが添加されている場合がありますが、これはかたまってダマになるのを防ぐためで、お菓子作りに大きな影響はありません。


【砂糖のほかの甘味料の役割】

よくレシピに登場する、「はちみつ」や「水あめ」。
甘みをつけるのはもちろんですが、そのほかにも役割があるのをご存知ですか?

■はちみつ
はちみつは、約20%が水分で、残りの80%近い固形分のほとんどは、「ブドウ糖」と「果糖」です。
果糖は保湿性が高いため、生地に入れるとしっとりと仕上がります。
また、ブドウ糖も果糖もメイラード反応を起こしやすく、はちみつを入れた生地は焼き色がつきやすくなります。
そのほか、特有の風味やコクをつけたいときに使います。

■水あめ
水あめは、いも類や米などに含まれる「でんぷん」が主成分です。
でんぷん自体は甘くありませんが、酸や酵素の働きで糖化することによって甘くなります。
砂糖に比べて甘さは控えめで、主にとろみやツヤをつけたり、生地をしっとりさせたいときに使います。
また、砂糖の再結晶化を防ぐ効果もあり、お菓子を食感よく仕上げてくれます。

【卵の役割と種類】

小麦粉、砂糖のほか、お菓子作りに欠かせないのが「卵」です。
卵を加えると特有の風味がつくほか、「熱凝固性」、「起泡性」、「乳化性」の作用をもち、お菓子を形作ってくれます。

■熱凝固性
卵は加熱すると中に含まれているたんぱく質が熱変性を起こし、かたまる性質があります。
この性質を利用して作られるお菓子が「プリン」です。

■起泡性
卵白を泡立てたときに空気を抱え込み、しっかりとしたメレンゲ状に泡立つ性質のことです。
スポンジケーキなどをふんわりと膨らませるのに大切な役割をしています。

■乳化性
卵黄に含まれる「レシチン」という成分が、本来混ざり合わない水と油を結びつけて乳化させる作用のことです。
牛乳や生クリームを使うアイスや、バターに水分を含む食材を合わせる、バターケーキ・クッキーなどの生地がうまく混ざるのは、この乳化によるものです。

材料の役割を覚えると、レシピを自分でアレンジしやすくなります。
砂糖1つにおいても、グラニュー糖を上白糖に変えるだけで、違う味や食感に仕上がります。
今回のお話を参考に、お菓子作りを楽しんでください。

Text by まち/食育インストラクター