
ハチミツは世界最古の甘味料と呼ばれ、砂糖が普及する前から利用されていました。
「ハチミツ=甘みをつける」というイメージが強いですが、それだけではありません。
今回はハチミツの種類や調理における活用法のお話です。
【ハチミツの歴史】
世界で最も古いハチミツの記録は、スペインのバレンシア地方にあるアラニア洞窟の壁画に残っています。
そこにはハチミツを採ろうとしている様子が描かれており、今から8000年ほど前に、すでにハチミツを採取していたことが分かります。
しかし、当時のハチミツはとても貴重で希少なものであったため、限られた人しか食べることができませんでした。
古代エジプトの女王で、世界三大美女の1人としても知られているクレオパトラは、ハチミツを料理や飲み物としてのほかに、肌や髪、爪に塗ったりと美容にも使っていたようです。
そのほか、古代エジプトでは、ほぼすべての疾患の治療にハチミツを用いていたとされています。
また、古代インドや古代ギリシャにおいても、ハチミツは薬として珍重されていました。
殺菌、保湿、抗炎症作用に優れていることから、長い年月を経た今でも薬として活用されています。
日本では643年の「日本書紀」にはじめて「養蜂」という言葉が登場しました。
その後、奈良時代に献上物として「ハチミツ」が日本に持ち込まれ、江戸時代になると本格的に養蜂が行なわれていきました。
【ハチミツの種類】
ハチミツは世界に1000種類以上もあると言われています。
スーパーなどでも数種類売られているので、どれを買ったらよいのか悩む方もいるのでは?
今回はよくみかけるハチミツとその特徴をご紹介します。
さまざまな種類があるハチミツですが、大きく「単花蜜(たんかみつ)」と「百花蜜(ひゃっかみつ)」の2つに分けられます。
■単花蜜
その名の通り、ひとつの花から集められたハチミツのことです。
単花蜜は、1種類の花から蜜を採る習性のある、セイヨウミツバチから採取されます。
蜜を採取する季節や地域によっても異なりますが、比較的安定した味が楽しめます。
また、百花蜜よりも蜜を多く採取できるため、安価で手に入れることができます。
<単花蜜の種類>
●アカシアハチミツ
ニセアカシアの花から採ったハチミツです。
味にクセがなくすっきりとした甘さと上品な香りが特徴で、普段食べ慣れていない人にもおすすめです。
そのため、ハチミツのなかでも人気が高く、「ハチミツの女王」とも呼ばれています。
どんな料理とも合わせやすく、ドリンクやお菓子、料理など幅広く活用できます。
アカシアハチミツは結晶化しにくいので、「ハチミツがかたまって出せない」という経験がある方に、ぜひ使っていただきたいです。
●レンゲハチミツ
レンゲの花から採ったハチミツです。
アカシアハチミツが「ハチミツの女王」に対し、レンゲハチミツは「ハチミツの王様」と呼ばれています。
優しい甘さとまろやかな味わい、奥深いコクが楽しめることから、アカシアハチミツと並んで、日本で親しまれています。
●マヌカハニー
ニュージーランドとオーストラリアにのみ自生する、マヌカの花から採ったハチミツです。
ハーブのような爽やかな香りと濃厚でコクのある味わいが特徴で、ほかのはちみつよりとろとろでクリーミーな食感が楽しめます。
限られた地域で限られた期間しか採取できないため、とても希少で高級なハチミツです。
また、マヌカハニー特有の成分「メチルグリオキサール」が豊富で、優れた抗菌作用を持つことから、世界で注目を集めています。
■百花蜜
複数の花から集められたハチミツのことです。
さまざまな種類の花から少しずつ蜜を採る習性がある、ニホンミツバチから主に採取されます。
味や香り、色などはミツバチが集める花の種類によって変わります。
【甘みをつけるだけではない!?ハチミツの活用法】
■肉をやわらかくする
肉をハチミツでつけ込んでから焼くと、肉がやわらかく仕上がります。
これはハチミツに含まれるブドウ糖や果糖などの糖分が肉のたんぱく質と結びつき、熱を加えても水分が逃げにくくなるからです。
また、たんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」も含まれており、同様に肉をやわらかくする効果が得られます。
■魚の臭みとりに
ハチミツに含まれる有機酸には、魚の生臭さのもとを中和してくれる効果があります。
そのため、魚の表面にハチミツを薄く塗って10分ほどおき、軽く拭き取ってから調理する。または煮魚や照り焼きなどのタレにハチミツを加えるだけで臭みを抑えることができます。
■ごはんがふっくら炊き上がる
ごはんを炊くときにハチミツを加えると、糖分の力で保水性が高まり、ふっくらツヤツヤに炊き上がります。
ハチミツを入れる量は、2合のお米に小さじ1程度。少量なので甘すぎることはありませんが、ハチミツに含まれる酵素の働きにより、いつものごはんより甘く感じられます。
冷めてもおいしいので、お弁当にもおすすめです。
【ハチミツの効果と注意点】
ハチミツには、疲労回復や腸内環境を整える効果、美肌効果など、うれしい効果が期待できます。
また、眠る前にティースプーン1杯のハチミツをとると、睡眠の質が向上すると言われています。
ただし、食べ過ぎはNG。
糖分を多く含むハチミツをたくさんとると血糖値の急上昇やお腹の不調を引き起こすおそれがあります。
体のことを考えるのであれば、1日に食べるのは大さじ1~2杯程度が適切です。
この範囲であれば毎日食べても体に影響がないとされています。
また、ハチミツは乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、1歳未満の乳児には絶対に与えないよう気をつけてください。
ハチミツを上手に活用することで、普段の料理やお菓子がよりおいしく仕上がります。
お好みのハチミツを見つけ、いろいろな料理に使ってみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター




