手軽に始められる「腸活」のすすめ①

「腸活」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんなことをすればよいのか分からない…という方もいるのでは?
そこで、今回から2回に渡り、腸活のメリットや食生活のポイント、腸活レシピをご紹介していきます!

【腸活ってなに?】

私たちの体は、肉類や魚介類・卵・乳製品などに含まれている動物性たんぱく質や脂質の多い食事に偏ってしまうと、腸内に悪玉菌が増えてしまいます。
しかし、『悪玉菌を増やす食品を摂らないようにする!』というのはなかなか現実的ではなく、厳しい制限は食事の楽しみを半減させます…。
私たちの腸内には多種多様な細菌が生息しており、その数は1000種100兆個以上
腸内細菌は、私たちが食べたものをエサにして互いに競い合い、助け合いながら生きる生態系をつくっています。
その細菌の生態系のことを「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼びます。(フローラはもともとラテン語の「花の女神」を語源とし、腸の中で花のように咲き乱れている 「お花畑」のように見えることから、この名前が付きました。)
腸内フローラに生息している菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに大別されます。

●善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぐほか、腸の運動を促すなど、人間の体に有用な働きをする菌。

●悪玉菌
腸内で有害物質を作り、腸内環境を悪化させ、便秘や下痢、肌荒れなどを引き起こす菌。

 ●日和見菌
善玉・悪玉、どちらにも属さない大多数の菌。
腸内の優勢な(多い)菌に味方して働く菌。

つまり、“悪玉菌よりも善玉菌が多い腸内フローラに整えることが、腸活では非常に大切”になります☆


【具体的にはどんなことをすればよいの?

「腸活する」と一言で言っても、一体どうすればよいのでしょうか?
今回は、そのポイントをご紹介します☆

●善玉菌(発酵食品)を摂る
発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。
善玉菌は、生後6か月ほどの赤ちゃんの腸内の9割を占めていますが、食習慣や加齢によって徐々に減っていくため、継続的に摂ることが大切です。
ただし、チーズやみそなど塩分が多い食品もあるので食べ過ぎには気をつけましょう。

●食物繊維やオリゴ糖を摂る
食物繊維やオリゴ糖は善玉菌のエサとなり、腸内で菌数を増やします
これらのように、善玉菌の栄養源となるものを「プレバイオティクス」、そして善玉菌とプレバイオティクスを組み合わせて摂ることを「シンバイオティクス」と呼びます。
食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」があり、どちらも便秘改善など腸に嬉しい効果が期待できます。
便をやわらかくしたい場合は「水溶性」、便の量を増やすことで腸を動かしたい場合は「不溶性」が効果的です。
善玉菌の増殖に特に効果的なのは、「水溶性」の食物繊維です。

<水溶性食物繊維を多く含む食品>
・ごぼう、にんじん、芽キャベツ、おくら、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜
・納豆
・里芋
・こんにゃく
・海藻
・きのこ類

<オリゴ糖を多く含む食品>
・玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガスなどの野菜
・バナナ
・大豆

 ●自律神経の乱れを整える
自律神経には、活動しているときに活発な「交感神経」とリラックス状態を司る「副交感神経」があり、身体のリズムを保ってくれています。
実は、腸の働きをコントロールしているのも、自律神経
交感神経と副交感神経がそれぞれ優勢になることによって、腸の弛緩・収縮が行われるため、自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れ、便秘や腹痛を引き起こす場合があります。
自律神経が乱れる要因としては、体と心の疲労が挙げられます。
スマートフォンやパソコンなどの電子機器の見過ぎによる眼精疲労、働きすぎ、ストレスなどによる精神的な疲労は不眠などにも繋がり、自律神経に悪影響を及ぼします。
深呼吸やゆっくり入浴するなど、全身の力を抜いてリラックスできる休息時間を意識的につくりましょう。

いかがでしたか?
次回は「シンバイオティクス」を意識した腸活レシピをご紹介します!
お楽しみに!

Text byろい/食育インストラクター