つらい二日酔いのときは、どんな食事がおすすめ?

3月に入り、お花見や飲み会などでお酒を飲む機会が増えたという方も多いのでは?
今回は、つい飲み過ぎて二日酔いになってしまう方は必見!
二日酔いのときにおすすめのレシピや予防法をご紹介します☆

【まずは、二日酔いのメカニズムを知ろう!】

通常、体内に入ったアルコールは胃腸で吸収されて肝臓に運ばれ、肝臓で「アセトアルデヒド」に変わり酢酸に分解され、最終的に水と炭酸ガスとして排出されます。
実はこのアセトアルデヒドはタバコの煙などにも含まれ、強い毒性があります。
アセトアルデヒドを分解する能力以上にアルコールを飲むと、アセトアルデヒドが体内に蓄積して、さまざまな不快な症状を起こします。
飲み過ぎるとアルコールは胃腸からそのまま血液中に入り、全身を巡ります。
この濃度(血中アルコール濃度)が高い程、「酔い」の症状が出ます。

【「二日酔い」の症状はさまざま】

二日酔いの症状は、頭痛・吐き気だけではありません。
ここでは、代表的な症状とその原因を見ていきましょう!

●頭痛
アルコールを摂取することで血管が拡張し、三叉神経を刺激するため。
脱水症状も頭痛の原因とされています。

●吐き気や胃痛
胃の粘膜が傷ついたり、ただれたりするため。(アルコール性の急性胃炎)

●動悸や不整脈
脱水及び心臓の筋肉の疲れにより、心臓の収縮に異常が生じるため。

●のどの渇き
血中の水分や電解質のバランスが崩れて細胞内の水分が減るため。
アルコールなどを含む息を吐くことで、口の中や気道の粘膜が乾燥するため。

このほかにも、睡眠障害を引き起こす場合もあり、二日酔いは本当に厄介なものだと言えます。

【二日酔いになった…。そんなときにおすすめのレシピをご紹介!】

今回は、ほどよい梅の酸味と優しい味噌の味わいが、二日酔いの体にしみ渡る一品をご紹介します。


【梅の卵雑炊】

<材料(1人分)> 調理時間:10分
ごはん・・100g
梅干し・・1/2個
三つ葉・・3g
溶き卵・・1/2個分
出汁・・200ml
みそ(信州みそ)・・大さじ1/2

<作り方>

  1. ごはんは水で軽く洗ってぬめりを取り、ザルにあげる。
  2. 梅干しは種を取り除き、包丁で叩く。三つ葉は2cm長さに切る。
  3. 鍋に出汁を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら味噌を溶き入れる。
  4.  (1)・(2)の梅干しを入れて再び煮立ったら溶き卵を回しかけ、三つ葉を入れて火を止め、フタをして蒸らす。

 「ごはんを洗うの??」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これはごはんの余分なぬめりを洗い落とし、サラッと食べやすい雑炊に仕上げるためです。
ぜひお試しあれ☆

【この料理の栄養ポイント】

●梅
肝機能強化に働くピクリン酸やクエン酸といった有機酸のほか、アセトアルデヒドの分解を助けるビタミンCを含んでいます。

●卵
ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をバランスよく含み、「完全栄養食品」と呼ばれています。ふんわりとした半熟状の卵は消化が良く、二日酔いで体調が優れないときにもおすすめです。

 【二日酔いにならないための対策も大事!】

●水分をたくさんとる
二日酔いにならないためにはお酒と水を一緒に飲むなど、体内のアルコール濃度の上昇を抑えるような飲み方をすると効果的です。
飲んでいるアルコールと同じくらいの量の水やお茶を一緒に飲み、アルコール度数の高いお酒は水やお湯などで割りましょう。
アルコールの摂取量を抑えられ、血中アルコール濃度の急激な上昇を防ぐので、肝臓への負担も軽くなります。
また、トマトジュースはお酒を飲むときに一緒に飲むと血中アルコール濃度が3割も低下して、体内からのアルコール消失も約50分早まるとされています。

●空腹時に飲むのを避ける
空腹時にお酒を飲むと、胃の粘膜がアルコールに刺激されて荒れやすくなったり、アルコールが急速に吸収され早く酔いが回ることもあります。
食べ物を口に運ぶことで飲み方がゆっくりになり、アルコールの吸収も緩やかになります。
なかでも牛乳やチーズなどの脂肪を含む食品を飲む前に食べると、胃に膜を作ってくれます
そのほかにも、枝豆や豆腐・肉・魚などのたんぱく質を一緒に食べると、肝臓の細胞の再生を促進しアルコールを分解する力を高めます。
アルコールで失われがちなビタミン・ミネラル類を補う野菜も一緒に食べるのもおすすめです。

もちろん、これらを行えば『絶対に二日酔いにならない!』という訳ではありませんが、ぜひ実践してみてくださいね。

 いかがでしたか?
適度な量のお酒は、ストレス解消や気分の向上に繋がります。
しかし、肝臓は「無言の臓器」と言われ、自覚症状がなく知らず知らずのうちに負担がかかっている場合があります。
くれぐれも飲み過ぎ・二日酔いには注意し、お酒を楽しみましょう!

Text by ろい/食育インストラクター