意外と知らない食べ物の秘密③~絹ごし豆腐と木綿豆腐~

古来より愛されてきた日本の食材の1つに豆腐があります。
…と、一言で言ってみたものの、売り場を見ると様々な豆腐が並んでいますよね。
今回はその中でも絹ごし豆腐と木綿豆腐に焦点を絞って、どんな違いがあるのか比べてみました!

【絹では濾せない!】

豆腐を作る工程の中で、濾す動作があるのは大豆を絞って豆乳とおからに分ける時だけ…
つまり、この時に木綿で濾して作れば木綿豆腐、絹で濾すと絹ごし豆腐なのでは!?
…残念ながら、絹豆腐と木綿豆腐の違いは、濾す作業とは関係ない部分で生じています。
そもそも、絹は水に弱い生地なので、大豆を絞る時や固める時に使おうものならすぐに傷んでしまいます。
絹ごし豆腐と言われていますが、豆腐作りに絹を使うことは無いのです。
では、絹ごし豆腐の絹とはいったいどこから出てきたものなのでしょう?
これはまるで絹を思わせる柔らかな口当たり、もしくは、絹で濾したかと思えるような滑らかさだから
諸説ありますが、いずれも絹ごし豆腐のつるりとした食感を絹の生地に例えたことを由来としているようですね
この、最大の違いである食感の違いは、豆腐に含まれている水分量が関係します
絹ごし豆腐は豆乳ににがりを加えて型に流し込み、そのまま固めたもの
木綿豆腐は木綿を敷いた型に流し込んだ後、重石をのせて水気を切りながら固めたもの
お店ごとに多少アレンジを加える場合もありますが、概ねこのような作り方になります。
このため、同じ量を食べた時は、大豆がギュッと詰まった形になる木綿豆腐の方が栄養価は高い数値になります。
ただし、絹ごし豆腐も十分に大豆の栄養を摂れる食品ですので、お好みの豆腐を召し上がって頂くのが一番です。


ちなみに、豆腐の発祥の地である中国では、漢字の「腐」には柔らかいもの、という意味もあります。
腐っていないのに豆「腐」と書くのはこれが理由です。
日本では、「腐」の字が持つマイナスイメージを嫌い豆「富」と書く場合があります。
大豆の栄養がたっぷり詰まった豆腐にはぴったりの当て字ですね!

Text by はむこ/食育インストラクター