語源は「黄色い瓜」?胡瓜の秘密に迫ります!

夏野菜のひとつ「胡瓜」は体を冷やす作用があるので、暑い時期にピッタリです。

【名前の由来】

私達のイメージする胡瓜は緑ですが、名前の由来となったとされるのは黄色い胡瓜です。
違う品種ではなく、私達が食べているものは成長途中で、熟すと黄色くなる事から、「黄瓜」が転じて「きゅうり」と呼ばれるようになりました。
現在の漢字「胡瓜」の「胡」はシルクロードを経てきた事を示すそうです。

【原産地】

胡瓜はウリ科キュウリ属の野菜で、インド・ヒマラヤ山麓が原産といわれています。
3000年前には栽培されていたとされ、日本には中国経由で6世紀終わり頃に伝えられました。
かなり古い年代に日本に入ってきましたが、最初は薬として使用され、食用として栽培が本格化したのは、江戸時代になってからの事です。


 【主流はブルームレス?】

ひとくちに胡瓜といっても、日本の食卓でお馴染みの白いぼ系や黒いぼ系、直径7~8cmもある石川県の伝統野菜・加賀太胡瓜、ピクルスでお馴染みのヨーロッパ種・コルニッション等、世界各地に様々な品種があります。
日本で主に食用とされているのは白いぼ系(ブルームレスの物)で、流通のほとんどを占めています。
胡瓜は本来ブルームと呼ばれる体(実)を守るための白い粉を表面にまとっていますが、「薬品を使っているのでは?」「見た目があまり良くない」という声があり、ブルームが付かない品種(ブルームレス)が登場しました。
ブルームレス胡瓜は、ブルームが出ないかぼちゃの台木に胡瓜を接ぎ木して作られた品種で、ブルームありの物より日持ちがするという事もあり、人気です。
まだ主流はブルームレスですが、皮がかたいという点があり、近年では「皮が柔らかい」「食べた時の歯切れがいい」といった理由から、ブルームありの品種が見直されています。

 【栄養と食べ合わせ】

胡瓜はそのほとんどを水分が占めている野菜です。
栄養素としては、カリウムやビタミンCが含まれます。
カリウムは余分な塩分の排泄効果があるので、塩分を摂り過ぎた時やむくみが気になる時に力を発揮します。
また、筋肉の収縮を正しく行えるようにする作用もあります。
ビタミンCは抗酸化力に優れ、老化防止や感染症予防に役立ちます。
また、コラーゲンの生成を助ける効果も期待でき、美肌作りにも一役買ってくれます。
以前は、胡瓜に含まれるアスコルビナーゼという酵素がビタミンCを壊す(酸化させる)と言われていましたが、研究が進み、現在では壊された(酸化した)ビタミンCも体内で元の形に戻る事が解明されています。

最後に体にうれしい胡瓜の食べ合わせをご紹介します。
○胡瓜×わかめ→むくみ改善
どちらもカリウムを多く含むため、体内の余分な塩分を排出し、むくみを改善します。

○胡瓜×タコ→高血圧予防
タコには血圧を下げる効果があるタウリンが豊富です。
胡瓜のカリウムは体内の塩分バランスを調える働きがあるので、一緒に摂ると高血圧予防が期待できます。

○胡瓜×ナス→熱中症予防
胡瓜やナスといった夏野菜は、体(内臓)の熱を抑えてくれる食材ですので、熱中症の予防に効果的です。

旬の今はみずみずしくパワーがあり、安価に手に入るので、様々な料理に使ってみて下さい。
生食が主流ですが、加熱しても美味しいですよ!

Text by さゆり/食育インストラクター