世界の料理を学ぼう~フィリピン料理~

私たちが住む日本には長い歴史の中で培われてきた「和食」があり、2013年に「ユネスコ無形文化遺産」として登録されました。
和食と同様に、世界にも長い歴史を経て出来上がった料理がたくさんあります。
「世界の料理を学ぼう」では、さまざまな国や地域の料理などをご紹介!
この機会に子どもと一緒に世界の料理を学んじゃおう!
今回は約7000もの島々からなる国「フィリピン」です。

【フィリピン料理とは】

フィリピンは正式名称を「フィリピン共和国」といいます。
日本の約80%くらいの国土を保有し、7109もの島々で構成されています。
公用語はフィリピン語のほか、英語が使用されていますが、言語としては約80もあるそうです。

フィリピン料理は、スペインや中国・アメリカなどの影響を受けていて、それぞれの国と共通する料理も数多く存在します。
料理には、唐辛子やこしょうなどの香辛料・トマト・玉ねぎ・にんにく・ココナッツミルク、そして魚醤のように食材を発酵させて作る調味料が使われ、影響を受けた国や東南アジアで広く使われるものがミックスされているのが特徴です。
酸味のある食材もよく使われ、タマリンドの果肉やカラマンシーという柑橘を使ったり、熟していないパパイヤやマンゴーなども食べられています。
気候的には暑い地域なので、甘酸っぱい味つけが好まれます。
主食は日本と同じで米が主流ですが、パンや麺類も食べられています。

ちなみに、我々がケチャップといわれて思いうかべるのはトマトケチャップですが、フィリピンにはバナナで作るケチャップがあります。
色は着色されているので、トマトケチャップのような赤が主流ですが、本来の色は茶色っぽい黄色だそうです。
世界の料理は、その国がたどった歴史が強く影響しているので、歴史も合わせて調べてみるのもよいですね。

それでは早速フィリピン料理を作ってみましょう。
今回はフィリピンの家庭でよく作られる「アドボ」をご紹介します。


【アドボ

アドボは「つけ込む」を意味するフィリピンの家庭料理です。
日本人にも食べやすい味つけで、ごはんが進むこと間違いなし☆です。
さまざまな肉で作りますが、今回は豚肉で作ってみました。

<材料(4人分)> 調理時間:30分(つけ込む時間は除く)
豚肉(今回はスペアリブ)・・600g
Aしょうゆ・・大さじ2
Aナンプラー・・大さじ1
A砂糖・・大さじ2
A酢・・大さじ4
Aローリエ・・1枚
B酒・・大さじ3
B水・・大さじ4
Bにんにく・・3かけ
ゆで卵・・4個
しょうゆ・・小さじ2
パクチー・・お好みで

<作り方>

  1. 豚肉は大きめのひと口大に切る
    にんにくは皮をむいて半分に切って芽を取り、つぶす
  2. ビニール袋に(1)の豚肉・Aを入れて軽くもみ、30分以上つけ込む
  3. 鍋にB・(2)をつけ汁ごと入れて火にかける
  4. 沸いたらアクを取り、ゆで卵を加えて落とし蓋と蓋をしてときどき混ぜながら弱火で15~20分煮る
  5. 蓋を外してしょうゆを加え、中火で煮汁が半分くらいになるまで煮詰める
  6. 器に盛り、お好みでパクチーと一緒にいただく

<ポイント>
・今回はにんにくの量を控えめにしています。
お好きな方はお好みで倍量にしてください。

【豚肉の栄養】

豚肉は良質なたんぱく質やビタミンB1が豊富です。
良質なたんぱく質は体を作るのに大切な栄養素です。
ビタミンB1は糖質の代謝に関わり、疲労回復効果が期待出来ます。
ビタミンB1はにんにくやニラ・ねぎなどに含まれるアリシンと一緒に摂ることで、効率よく体内にとり込まれます。

いかがでしたか。
アドボはいろいろな種類の肉で作られ、作り方もたくさんあります。
気に入っていただけたら今回のレシピだけでなく、お気に入りのレシピを探してみるのもおススメです。

「外国の料理を家庭で作るのは難しそう」と感じるかもしれませんが、日本の家庭料理と同様に、簡単でおいしいレシピがたくさんありますのでぜひ挑戦してみて下さいね☆

Text byさゆり/食育インストラクター