おにぎりやすし、麺類のトッピングにも。私たちの身近な食材「海苔」

朝食やおにぎり・お弁当、すしはもちろん、そばやラーメンなどの麺類のトッピングにも使われているほど、日本人にとって身近な食材である「海苔」。
2月6日は「海苔の日」です。
なぜこの日が海苔の日かご存知ですか?

【海苔の歴史】

海苔は飛鳥時代から食用にされていたと考えられているほど、古くからある食材です。
701年の「大宝律令」に税のひとつとしてほかの海藻類とともに登場し、29種もの海産物が挙げられているなかでも海苔は高級品とされ、神様にささげる供物として現在でもお供えする品物のなかに海苔が入っています
大宝律令が施行された大宝2年1月1日を西暦に換算すると702年2月6日だったことから、海からの贈り物である海苔に感謝の気持ちをこめて全国海苔貝類漁業協同組合連合会が1966年にこの日を「海苔の日」と定めました。
平安時代では、まだ一般的なものではなく、宮中への献上品や上流貴族への給仕のひとつであり、天然の海苔を摘みとっていました。
海苔の養殖が始まったのは江戸時代になってからで、その後、江戸時代中期になると四角い板のりが登場し、海苔巻きが庶民の間で広まって行きました。

【うま味いっぱい、海苔がおいしい理由】

海苔には、昆布のうま味成分「グルタミン酸」、かつお節のうま味成分「イノシン酸」、干ししいたけのうま味成分「グアニル酸」がバランスよく、豊富に含まれています。
これらのうま味成分は、組み合わせることで相乗効果を発揮し、何倍ものうま味成分を引き出してくれます。
自然食品でこれほどのうま味成分を含んでいるのは海苔だけと言われています。


【海苔をおいしく保存するポイント】

1年中出回っている海苔ですが、海苔にも旬があります。
海苔は11月ころから摘みとりがはじまり、3月中旬くらいまで続きます。
各産地で一番に摘みとられた海苔は「一番摘み」、「初摘み」と呼ばれ、やわらかく香り高いのが特徴です。
せっかく購入した海苔も、一度封を開けると湿気りやすくなり、風味が落ちてしまいます。
封を開けて使い切らない場合には、密封できるジッパー付き保存袋などに海苔と一緒に入っていた乾燥剤とともに入れ、しっかりと封を閉じます。
保存は冷蔵庫や冷凍庫がおすすめです。
食べるときにはすぐに開封せず、常温になってから必要分だけ海苔を取り出し、残りは同様に保存することで、おいしい状態が長持ちします。

【海苔の栄養】

海苔の成分の約1/3は食物繊維です。
食物繊維は腸内環境を整え、大腸がんの予防にも効果が期待できます。
このほか、ビタミンB12や葉酸が多く含まれ、お互いに協力し合って赤血球の合成に働き、貧血予防に役立ちます。
さらに、出血を抑えたり、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成を促すビタミンKも含まれます。

【海苔が湿気ってしまったら?簡単お家で海苔の佃煮】

おいしいけれど気づくと湿気ってしまっている海苔…。
その海苔を使って自家製佃煮を作りましょう!

<材料> 調理時間:10分
焼き海苔・・全形5枚(約20g)
A水・・200ml
Aしょうゆ・・大さじ2
Aみりん・酒・・大さじ1
A砂糖・・小さじ1

<作り方>

  1. 湿気った海苔を一度火であぶり、細かくもみほぐす。
  2. 鍋に残りの材料をすべて入れ、沸いたら弱火で煮汁が無くなるまで煮る。

たったこれだけ!簡単に海苔の佃煮が出来てしまいます!!
お好みで白ごまを加えてもおいしいですよ!
出来ればおいしいうちに食べきりたいものですが、もし湿気ってしまったときにお試しください。

Text byまち/食育インストラクター