風邪気味の時の幼児の食事

空気が乾燥して寒い冬の時期は、お子さんも風邪をひきやすくなりますよね。
風邪と言っても、発熱・咳・下痢、嘔吐など症状はさまざま。
今回は症状別に、注意したい食事のポイントや栄養素についてご紹介します。

【症状別の食事のポイント】

①発熱
風邪やインフルエンザで発熱しているときは、身体がウイルスと闘っている状態です。
発熱によって水分が失われるため、脱水症に気をつけましょう。
食欲のないときは、湯冷ましや、麦茶、イオン飲料、スポーツドリンクなどをこまめに飲ませるようにしましょう。

●食欲はなくても何か食べられそうなときは…

  • バナナ入りヨーグルト
  • 果汁、すりおろしりんご
  • ゼリー
  • シャーベット
  • 茶わん蒸し

 ●熱が下がってきて食べられそうなときは…

  • おかゆ
  • 雑炊
  • 煮込みうどん(短く刻む)
  • 野菜スープ(煮込んだもの)

などが、消化がよく食べやすいと思います。

熱が高いとたくさんエネルギーを消費します。
食欲のないときは、無理に食べさせる必要はありませんが、食欲がある場合は、エネルギーになるたんぱく質・炭水化物やそれらの代謝をサポートするビタミンB群、ウイルスの抵抗を高めるビタミンCを摂るとよいでしょう。
バナナは糖質をはじめ、ビタミンB群やビタミンC、などが含まれ、風邪の時のエネルギー補給にピッタリ。
また、おかゆに卵や豆腐などのたんぱく質食材をプラスしてあげると、身体の回復を助けてくれます。


②鼻水や鼻づまり、咳
鼻粘膜や喉に炎症が起き、粘膜の機能が弱まったり、過敏になったりするので、乾燥しないように、こまめな水分補給が大切です。
また、飲料の冷たすぎる・熱すぎる温度は、喉を刺激し、咳を誘発させてしまうので、常温やぬるま湯程度がよいでしょう。
食事は、粘膜を強化するビタミンAや粘膜の補修を助けるビタミンC、身体の修復を助けるたんぱく質を摂るとよいです。
卵と野菜をたっぷり入れて煮込んだスープや、湯豆腐などがおすすめ!
また、スープや料理に水溶き片栗粉などでとろみをつけてあげると、のど越しがよく食べやすくなります。
果物は酸味が強すぎると喉を刺激してしまうので注意しましょう。
また、保湿効果・抗菌作用があるはちみつも喉の炎症にピッタリですが、1歳未満の乳児には乳児ボツリヌス症の恐れがあるため、与えないでくださいね。

③嘔吐や下痢
嘔吐や下痢が続くと水分や栄養素が失われ、体力も消耗しやすくなります。
水分補給をこまめに行うようにし、脱水症を防ぎましょう。
吐き気や下痢の症状が治まったら、胃腸に負担をかけないことを心がけ、消化によいものを食べるようにしましょう。
おかゆや野菜スープ、煮込みうどん、豆腐、脂身の少ない白身魚(火を通したもの)など食べられそうなものから挑戦してみましょう。
一度にたくさん食べるのではなく、少量ずつ、徐々に食べる量を増やすようにしてください。
特に、脂っこい料理や糖分を多く含む料理、お菓子、香辛料の多い料理や食物繊維を多く含む食事(ジュース、アイスクリーム、牛乳、ヨーグルト、肉、脂肪分の多い魚、ごぼう、海藻など)は胃腸に負担をかけるので、控えた方がベストです。

 いかがでしたか?
風邪の悪化を防ぐためには、規則正しい生活と休養に加え、たんぱく質など、免疫力を高める食材を摂ることが大切です。
体調が悪いと、消化機能が落ちるため、調理では油はなるべく使用しないように注意してあげましょう。

Text by くまこ/食育インストラクター