
夏は暑さのせいで胃腸が弱っていたり、湿度が高く細菌が増殖しやすいため、食中毒が発生しやすい季節です。
今回は、そんな食品衛生についてのお話です。
【食品衛生月間とは】
細菌性食中毒は気温とともに増加し、特に6~9月に多く発生します。
そこで厚生労働省が、全国の消費者や食品事業者などの方々に、食品衛生に関する正しい知識をもっと知ってほしいということから8月を食品衛生月間と定めました。
【食中毒予防の原則】
食中毒はその原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
細菌性食中毒は肉や魚など加熱が必要な食品の加熱不足や、生の肉に使った包丁でそのまま調理済みの食品を切ることなどで起こります。
一方でウイルス性食中毒は、ウイルスが蓄積している食品の摂取や不十分な手洗いによって発生します。
そこで、それぞれの食中毒予防の原則を確認しましょう。
<細菌性食中毒予防の3原則>
- 細菌を食べ物に「つけない」
- 食べ物に付着した細菌を「増やさない」
- 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
<ウイルス性食中毒予防の4原則>
ウイルスの場合は食品中では増えませんが、わずかな汚染によって食中毒を引き起こしてしまいます。
そうならないためには、以下に気をつけましょう。
- ウイルスを調理場内に「持ち込まない」
- 食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」
- 食べ物にウイルスを「つけない」
- 付着してしまったウイルスを「やっつける」
【家庭でできる食中毒予防の6つのポイント】
■食品の購入
- 表示のある食品は、消費期限などを確認する
- 肉や魚を購入したら、水分が漏れないように、ビニール袋などにそれぞれ分けて包んで、持ち帰る(保冷剤等と一緒に持ち帰る)
- 生鮮食品などの冷蔵、冷凍の温度管理の必要な商品の購入は、買い物の最後にして購入したら早めに帰る
■家庭での保存
- 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
- 冷蔵庫や冷凍庫は詰めすぎず、7割程度に抑える
- 肉や魚は、冷蔵庫内のほかの食品に肉汁などがかからないようにする
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を目安に維持する
■下準備
- ゴミはこまめに捨てる
- タオルや布巾は清潔なものを使用する
- こまめに手洗いをする
- 生の肉や魚の汁が、生で食べるものや調理の済んだ食品にかからないようにする
- 生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切
■調理
- 加熱して調理する場合は十分に加熱しましょう
- 調理を途中でやめるようなときは、室温に置いておかず、冷蔵庫に入れる
- 再び調理をする際は十分に加熱する
- 電子レンジを使用する場合は、電子レンジ用の容器・ふたを使い、熱の通りにくいものはときどきかき混ぜる
■食事
- 食卓に着く前に手を洗う
- 清潔な手で清潔な器に盛りつける
- 温かい料理は常に温かく、冷たい料理は常に冷たくしておく
- 調理前や調理後の食品は、室温に長く放置しない
■残った食品
- 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存する
- 時間が経ち過ぎたら思い切って捨てる
- 残った食品を温め直す時も十分に加熱する
【安心して食べるために】
食品の安全を守るためのシステムとして「HACCP」があります。
HACCP(ハサップ)とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害要因分析・重要管理点)」の頭文字を取った衛生管理手法です。
「Hazard」は危害、「Analysis」は分析、「Critical」は重要、「Control」は管理、「Point」は点を意味します。
これは、宇宙飛行士が宇宙滞在中に食中毒などの健康問題が起きないように、宇宙食の安全性を確保するためNASAが開発しました。
日本は2021年にすべての食品関係の会社や工場でHACCPに沿った衛生管理が義務化されました。
原材料の入荷から製品の出荷まであらゆる工程において、発生しうる危険は何かを前もってチェックして、危険を防ぐ衛生計画を立て、それを実行・記録するということです。
万が一、食品事故が発生した場合でも、どの工程に原因があるのかを検討し、対応することができます。
このHACCPを導入していることによって、食中毒を防ぐことができ、安心して食べ物を食べられているんですね。
いかがでしたか?
食中毒は簡単な予防法をきちんと守れば予防できます。
夏は特に食中毒が発生しやすいので、今回のお話を参考にしていただければ嬉しいです。
Text by あお/食育インストラクター




