
糖尿病を始め、多くの生活習慣病に関わる血糖値。
この値の上下は健康維持のために見過ごせないと考える方が増えています。
そんな血糖値の上昇を抑える考え方で、近年話題になりつつあるのがオイルファーストという言葉です。
一体どんなものなのでしょう?
【血糖値の基本】
まずは血糖値の基本的な役割を確認してみましょう。
血糖値とは、血液の中に流れているブドウ糖の濃度を表す数値です。
ブドウ糖は体のさまざまな器官で使用される大事なエネルギー源。
特に脳を動かすためには欠かせない存在なので、全身を巡っている血液中にブドウ糖があることは、おかしなことではありません。
しかし、ブドウ糖の量が多くなりすぎると、少しずつ体に悪影響を及ぼします。
具体的には、血管が傷ついたり、詰まりやすくなっていきます。
糖尿病だけではなく、網膜や腎臓の疾患の原因にもなるので、日常生活に制限がかかる可能性があるのです。
ブドウ糖を補給したあと、つまり食後に血糖値が上がるのは自然なことです。
しかし、食後2時間経っても正常な値に戻らない場合は、食後高血糖とされ、注意が必要な状況です。
食後高血糖は別名「隠れ糖尿病」と呼ばれるほど、健康リスクを高める要因になるのです。
【オイルファーストとは?ベジファーストとは違うもの?】
血糖値は食事の内容によって大きな影響を受けます。
例えば、糖質の多いご飯やパン・麺ばかりの食事をとったり、砂糖やはちみつをたっぷり使った甘いお菓子や飲み物を食べたあとは、血糖値が急激に上昇しやすくなります。
では、血糖値を緩やかに上昇させるためには、どういう食事がよいのか?その考え方のひとつとして提唱されたのが、オイルファーストです。
油を食べると小腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。
インクレチンは血糖値を下げるインスリンの分泌を促す働きがあるので、食事のときには最初に油を食べることで、血糖値の急上昇を防ぐことができるというものです。
似た考え方としてベジファーストがあります。
これはGI(グリセミック・インデックス)値と呼ばれる、各食品につけられた血糖値が早く上がりやすいかどうかを示す値をもとに生まれた考え方です。
食事をするときにGI値が低い傾向のある野菜を最初に食べることで、血糖値の急上昇が抑えられるとしています。
ただし、オイルファースト・ベジファーストともに、ただ最初に食べればよいということではありません。
例えば、オイルファーストの場合、油そのものが高カロリーなので、血糖値のためだからと言って食事の前に油を余分に飲んだり、おかずを揚げ物に偏らせたりするのはNGです。
カロリー過多は肥満・そして高血圧などのリスクに繋がるので、血糖値は下がったものの、血管へのダメージは蓄積している…といったことになりかねません。
また、野菜から先に食べたとしても、早食いで野菜を食べたあと、すぐに炭水化物をかき込んでしまっては、せっかくベジファーストにしたとしても、高い効果は見込めません。
ゆっくりよく噛んで野菜から食べることが大切なのです。
オイルファーストを実践するときは、食事では最初にサラダや温野菜などにオイル使用のドレッシングをかけ、よく噛んで食べる。
このようにすると、ベジファーストとも併用する形になります。
このときに使用するオイルは、不飽和脂肪酸を多く含む亜麻仁油やエゴマ油などを使うと、さらによいですね。
オイルファーストについてはまださまざまな検証が必要な段階であり、高血糖が気になる人すべてに推奨されているものではありません。
血糖値についてすでに指導を受けている場合は、自己流で判断・実践せず、まずは担当医師や管理栄養士とよく相談し、その指示に従うことが大切です。
これだけ気をつけていれば大丈夫!ということではなく、血糖値の上昇予防の補助的な存在として、運動や体重管理なども注意しながら取り入れましょう!
Text by はむこ/食育インストラクター











