亥の月、亥の日に食べる「亥の子餅」って何?

亥の月、亥の日に食べる「亥の子餅」って何?

「亥の子餅」という言葉を聞いたことはありますか?
「うり坊」の様な形をしたこのお餅、普段は見かけることはありませんが10月下旬から11月になると和菓子屋さんなどで販売されます。
では、亥の子餅はいったいどんな時に食べるものなのでしょう?

【亥の子餅とはどんなもの?】

亥の子とは、十二支の亥の月にあたる旧暦の10月の亥の日、亥の刻(午後9~11時)に亥の子餅を食べて無病息災や子孫繁栄を願う、古代中国の言い伝えが元となった風習です。
日本では平安時代の宮中で広まり、現在では主に西日本を中心に行われています。
亥の子餅は元々、「大豆・小豆・ささげ・ごま・柿・栗・糖(あめ)」の7種類の粉を新米をついた餅に入れて作られていたようですが、現在では地方や和菓子店によって材料や製法が異なります。
形は亥の子餅の名前の由来である猪の子どもを模して、小豆を包んだ餅を楕円にしたものが一般的です。

【こたつを出すなら、亥の月亥の日に】

陰陽五行によると「亥」は水性に当たるとされ、亥の月、亥の日に火鉢やこたつなどに最初の火を入れると火事になりにくいと昔は思われていました。
また、茶の湯の世界でも、茶事の炉に火を入れる「炉開き」を亥の日に行い、この時の菓子にも亥の子餅を用いることがあるようです。


【お家でかんたん!亥の子餅を作ろう!!】

<材料>
粒あん・・100g
餅粉・・50g
水・・90ml
砂糖・・100g
水あめ・・30g
白ごま・・大さじ1

<作り方>

  1. 粒あんは20gずつに分けておく。
  2. 鍋に餅粉を入れ、分量の水を2~3回に分けて入れながらよく混ぜる。
    餅粉が溶けたら中火にかけ、焦がさないように気を付けながら木べらでしっかりと練る。
  3. 透明感が出てきたら砂糖を2~3回に分けて加え、さらによく練り、つやが出てきたら水あめ・白ごまを入れて練り合わせる。
  4. 片栗粉(分量外)を敷いたバットに③を取り出す。
    粗熱が取れたら生地を5等分にし、1つずつ粒あんを包んで楕円に形を整える。

家に金串がある場合は、熱してお餅の上部に3か所筋を入れるとさらに亥の子そっくりに!!
今年は旧暦の10月2日(新暦11月1日)が亥の日です。
亥の子餅を食べて元気に過ごしましょう!!

Text by まち/食育インストラクター