今がおいしい旬のアスパラガス。
捨てるところはないように思えますが、知らないうちにおいしいあの部分を捨てているかも!?
今回はアスパラガスをおいしく、無駄なく活用する方法をご紹介します。
【アスパラガスの歴史】
アスパラは、南ヨーロッパからロシア南部が原産の野菜です。
紀元前200年ころには、ギリシャやローマで栽培されていたほど歴史は古く、食用のほか、薬としても利用されていました。
日本には江戸時代に伝えられましたが、当時は主に観賞用として用いられることが多く、本格的に栽培されるようになったのは大正時代からです。
現在、北海道や長野県、佐賀県などで多く作られ、4~6月に旬を迎えます。
グリーンアスパラガスのほか、ホワイトアスパラガスや紫アスパラガス、そして長さが10cmほどのミニアスパラガスなどの種類があります。
【おいしいアスパラガスの見分け方】
穂先がしっかりと詰まっているもの、根元までハリがあり、全体が鮮やかな緑色のものを選びましょう。
アスパラガスは水分が抜けやすく、鮮度が落ちやすい野菜です。
購入したらその日のうちに使い切るのがベストですが、食べきらなかった場合には乾燥しないようラップで包み、冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると比較的長持ちします。
食感や風味は損なわれますが、かためにゆでてカットし、冷凍庫で保存することも可能です。
【アスパラガスをおいしくゆでる方法】
- アスパラガスの茎の下の方を両手で持ってしならせ、根元をポキッと折る。
半分から下の部分はピーラーで皮をむく。
※根元の部分は皮がかたく、筋っぽいので取り除きます。 - フライパンに水300mlと塩小さじ1/2(3g)、(1)で切り落とした根元の部分と皮を入れて火にかける。
※カットしたものをゆでると水っぽい仕上がりになってしまうので、出来るだけ丸ごとゆでてください。 - 沸騰したらアスパラガスを入れ、1分30秒~2分ゆでる。
※普通の太さのものは1分30秒、太いものは2分が目安です。 - ゆで上がったらザルに上げ、手早く冷ます。
【アスパラガスのゆで汁を上手に活用!】
アスパラガスをゆでた湯には、うま味と風味がたっぷり。
今回はこのゆで汁を使ったリゾットのレシピを紹介します。
<材料(1~2人分)> 調理時間:20分
アスパラガスのゆで汁・・250ml~
米・・1/2合
玉ねぎ・・1/8個
オリーブオイル・・小さじ2
バター・・5g
パルメザンチーズ・・大さじ2
粗挽き黒こしょう・・適量
- 玉ねぎはみじん切りにする。
アスパラガスのゆで汁は根元と皮を除き、分量を温めておく。(ゆで汁が足りない場合には水を足してください) - フライパンにオリーブオイルと玉ねぎを入れて火にかけ、しんなりするまで炒める。
- 玉ねぎの甘い香りがしてきたら米を加えて透き通るまで炒める。(約1分)
- (3)にアスパラガスのゆで汁を米がかぶるくらい加え、常に沸々とさせた火加減に保つ。
ゆで汁が少なくなったら都度足し、12~15分煮る。 - 米の芯が少し残る程度になったら火を止め、バター・パルメザンチーズを加えて溶かす。
- 器に盛りつけ、黒こしょうをふる。
ゆで汁は使う前に味見をし、塩味が強い場合には、水を加えて調整してください。
リゾットだけではなく、スープにしてもおいしいですよ。
【アスパラガスの嬉しい効能】
アミノ酸の一種である「アスパラギン酸」が豊富で、疲労回復に期待できます。
そのほか、骨の形成に欠かせない「ビタミンK」や、美肌作りに働く「ビタミンC」、貧血予防に効果がある「葉酸」などのビタミン類も含まれています。
また、穂先にはポリフェノールの一種の「ルチン」が多く含まれ、血管を丈夫にする作用があります。
アスパラガスに含まれる栄養素は水に溶けやすいものが多いので、サッと加熱したり、今回のようにゆで汁も上手に料理に使うと無駄なく栄養をとることができます。
今まで捨てていたかもしれないものも、上手く活用すればエコでおいしい料理に大変身。
生産者の方が心を込めて作ってくれた食材をあますことなく使いたいですね。
Text byまち/食育インストラクター