
パンに塗ったり、ヨーグルトにかけたりと、忙しい朝に重宝する「ジャム」。
普段よく食べるけれど意外と知らない、「ジャム」についてのお話です。
【ジャムの分類】
ジャムは、「果実、野菜または花弁を砂糖やはちみつなどと一緒にゼリー化するまで加熱したもの」のことです。
日本農林規格(JAS)では、「ジャム」、「マーマレード」、「ゼリー」の3種類に分類されます。
■ジャム
マーマレード及び、ゼリー以外のもの
■マーマレード
柑橘類の果実を原料としたもので、柑橘類の果皮が認められるもの
■ゼリー
ジャム類のうち、果実などのしぼり汁を原料としたもの
(果汁などをゼラチンでかためたスイーツのゼリーとは異なります)
また、売り場で見かける「プレザーブスタイル」のジャムも日本農林規格(JAS)で以下の通りに定められています。
■プレザーブスタイル
ジャムの一種であり、ベリー類(いちごを除く)を原料とする場合は全形の果実、いちごが原料の場合は全形または半分にカットしたもの、そのほかの果実を原料とする場合は厚さ5mm以上の果肉片を使用し、形状をできる限り残したもの
【ジャムとコンフィチュール、コンポートの違い】
どれも果実を砂糖で煮詰めて作られますが、実は製法などに違いがあります。
■ジャム
英語でジャム(jam)は、「詰め込む」「押しつぶす」といった意味を持ち、果物をつぶしてゼリー状にしたものです。
糖度40%以上が基本で、40%~55%を「低糖度」、55%~65%を「中糖度」、65%以上を「高糖度」と呼んでいます。
低糖度は甘さを抑えることでフルーツ本来のおいしさを味わえ、高糖度はフルーツをじっくりと煮たコクのあるおいしさが楽しめます。
■コンフィチュール
コンフィチュール(confiture)はフランス語で、「果物を砂糖や酢、香辛料、アルコールなどで煮込んだ保存食」のことです。
ジャムよりも糖度は低く、煮詰める時間を短くすることで果物の色や形をいかし、果物本来の味わいを楽しみます。
■コンポート
コンポート(compote)はフランス語で、「果物を水や薄い砂糖水で軽く煮て、果物の形を残したもの」のことです。
コンフィチュールよりもさらに糖度が低く、果物本来の甘みと食感が楽しめます。
【ジャムに欠かせない!「ペクチン」とは?】
ジャムのとろみは「ペクチン」によるものです。
ペクチンとは、果物や野菜に含まれる食物繊維の一種で、熱、糖、酸の組み合わせでゼリー状にかたまる性質があります。
りんごやかんきつ類、いちじく、バナナなどに多く含まれ、特に皮や芯の部分に豊富です。
果実が成熟するにつれてペクチンが分解、減少するため、ジャムに使うときには、熟し過ぎていない果物を選ぶと、とろみがつきやすくなります。
また、先ほどもご紹介しましたが、ペクチンがしっかりかたまるには、「熱」、「糖」、「酸」が重要。
砂糖はペクチンのゲル化を助けるだけでなく、保存性もよくしてくれます。
酸は果物にも含まれていますが、酸味の少ない果物でジャムを作るときには、レモン汁を加えるとペクチンの働きを活性化してくれます。
【基本の「いちごジャム」を作ってみよう!】
今が旬のいちごがごろっと入った、プレザーブスタイルのジャムをご紹介します。

<材料(150ml容器・2個分)> 調理時間:30分
いちご・・2パック(500g)
グラニュー糖・・250g(いちごの50%)
レモン汁・・1/2個分(約15g)
<作り方>
- いちごはヘタつきのまま水で洗い、汚れや毛を落とす。
- (1)の水気をキッチンペーパーで拭き取る。
ヘタを切り落とし、縦半分に切って鍋に入れる。 - (2)にグラニュー糖を入れて全体を軽く混ぜ、冷蔵庫に入れ数時間~ひと晩おく。
- いちごが浸るくらいまで水分が出てきたら弱火にかける。
沸々としてきたらレモン汁を加え、中火で15~20分加熱する。
(アクが出てきたら都度取り除いてください) - いちごに透明感が出てきてとろみがついてきたら火を止める。
(氷水にスプーンで煮汁を少し落とし、下まで沈めばOK。下につくまでに煮汁が散ってしまった場合は、煮詰めが足りていないので、もう少し火にかけてください)
<ジャムの保存方法>
数日間で食べきる場合には、清潔な保存容器に入れて保存するのでも構いませんが、長期保存するには保存瓶の煮沸消毒と脱気が必要です。
- 鍋にたっぷりの水とガラス瓶、ふたを入れて火にかける。沸騰したら火を弱め、10分ほど煮る。
- トングや菜箸などを使って瓶とふたを取り出す。
ザルやキッチンペーパーの上に逆さに置いてしっかりと乾かす。 - 瓶にジャムを9割程度入れてふたを軽くしめる。
- (3)を鍋に入れ、ふたの2cmくらい下まで水を注ぎ、火にかける。
沸騰したら弱火にし、15分ほど煮る。 - 15分経ったらやけどしないように瓶を取り出し、熱いうちにふたをしっかり閉める。
- 瓶を逆さにして冷めるまでおき、完全に冷めたら冷蔵庫で保存する。
未開封であれば、1~2カ月持ちますが、開封したら2週間を目安に食べきるようにしてください。
【なぜ、4月20日が「ジャムの日」なの?】
1910年4月20日、長野県北佐久郡三岡村(現在の小諸市)の塩川伊一郎氏が「いちごジャム」を明治天皇に献上したとの記録があります。
この塩川氏の技術が日本のジャム産業の礎となったと考えられることから、日本ジャム工業組合が4月20日を「ジャムの日」と制定しました。
作り方を覚えておけば、旬の果物や野菜を使った、その季節ならではのジャムが楽しめますね。
材料も少なく、簡単に作れるので、ぜひ、この機会に手作りジャムにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター











