
「秋鮭」の季節がやってきました!
スーパーなどでよく見かける鮭ですが、さまざまな呼び方があるのをご存じですか?
今回はそんな鮭についてスポットをあてていきたいと思います。
【見かける鮭は3種類】
普段よく見かける鮭には白鮭・銀鮭・紅鮭などがあります。
それぞれ何が違うのかご存じですか?
特徴を見てみましょう。
●白鮭(しろざけ)
日本で鮭というと、これといっていいほど漁獲量が多い鮭です。
名前にもある通り、ほかの鮭に比べて身のオレンジ色が淡く、少し白っぽいのが特徴です。
また、獲れる時期によって名前が変わり、さまざまな別名を持っています。
鮭は、川で生まれて海を回遊して成長し、産卵のために生まれた川へ戻ってくる魚です。
ご存じの通り戻ってくる季節が秋です。
この秋の時期に獲れた鮭が「秋鮭」です。北海道では秋ごろに獲れる白鮭のなかでも、成熟していないものは「鮭児(けいじ)」といって呼び名が変わります。
また、春から夏にかけて海を回遊しているタイミングで水揚げされる白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
●銀鮭
銀鮭は、成長が早く養殖も多く行われていることから、流通の多い鮭です。
輸入品がほとんどですが、日本でも養殖が行われています。
脂がよくのっていて、身がふっくらしているのが特徴です。
●紅鮭
紅鮭は日本の漁獲量は少なく、日本で流通しているのは主に輸入ものです。
産卵の時期になると体の色が赤くなり、身の赤身も強いのが特徴です。
うま味が強く、コクのある味わいです。
【鮭の身はオレンジなのに白身魚?】
魚を分類する方法のひとつに、白身魚と赤身魚という分け方がありますよね。
見た目で判断すると、鮭の身は赤オレンジ色なので、赤身魚に分類されそうですが、いったいどちらに分類されるのでしょうか?
実は鮭は白身魚に分類されます。
白身魚と赤身魚の判定基準は、身の色ではなく、筋肉の色素の量が基準となっています。
白身魚と赤身魚は、筋肉色素たんぱく質のヘモグロビンと血液色素たんぱく質のミオグロビンの量によって区別されます。ヘモグロビンとミオグロビンを多く持っている魚ほど身の色が赤くなるので赤身魚に分類され、少ない魚が白身魚に分類されます。
一方で、白身魚に分類される鮭の身が赤いのは別の理由があります。
鮭の身は、赤よりオレンジに近い色をしています。
この色は、鮭がエサにしているエビやカニなどに含まれているアスタキサンチンという色素が蓄積されて、身がオレンジのような色になるのです。
よって鮭は白身魚に分類されます。
【「さけ」・「しゃけ」の2つの読み方があるのはなぜ?】
鮭は「さけ」と「しゃけ」と2つの呼び方があります。
ではなぜ2つの呼び方ができたのでしょうか?
これにはさまざまな説が存在します。
●アイヌ語から
かつて北海道で生活をしていた、アイヌ民族の言葉に由来するという説があります。
アイヌ語には「サクイベ」「シャケンベ」という言葉があり、これらが語源とするのではないかと言われています。
しかしこの2つの言葉は、鱒(マス)を意味するのです。
●訛りや方言
江戸時代の江戸っ子が「さ行」をうまく発音できず「しゃけ」と呼ぶように」なった説です。
しかしかつて、江戸があった現在の関東圏に限らず、「しゃけ」と呼んでいる地域は多いのでその真偽は分かっていません。
●魚の状態の違い
魚の状態によって使い分けられているという説もあります。
この説によると、生きて泳いでいる鮭は「さけ」と呼び、捕獲されて加工されたものが「しゃけ」と呼ぶとされているようです。
いかがでしたか?
鮭について知っていただけたと思います。
ぜひ、脂がのったおいしい鮭を食べてくださいね。
Text by あお/食育インストラクター









