年中見かけるイカ。種類と旬を知って美味しくいただこう!

寿司ネタの王道、駅弁フェアでは「イカ飯」が売上上位になることもあるとか。
年中見かける気がするイカですが、いつも同じ品種が並んでいるわけではありません。
しかも、近年、危機的状況になっている種があるのをご存知でしょうか。

【切実な最新情報】

実は日本各地の沿岸で水揚げされイカのうち8割を占めていたのはスルメイカでしたが、近年、漁獲量は減り続けています。
もともと、スルメイカは春から晩秋にかけて水揚げ量が多いのですが、年中豊富に獲れていたほど馴染み深い種類でした。
しかし、現在は記録的な不漁が続き、その原因は海の環境の悪化が原因だという指摘もあります
そのため、私たちが普段食べている回転ずし店や冷凍食品用のイカには、代替品として海外の違う種のイカを輸入していて、その量が年々増えているようです

【世界の海には400種のイカが!】

世界中に400種以上、そのうち日本には約140種類程度いると言われています
日本で消費するために遠い海域で獲れたとしても、その場で加工、冷凍することも多いため、解凍したら生で食べられるという商品も登場しています。
そうは言っても、日本の固有種も大事にいただきたいものです。
実は、ホタルイカは地域限定の固有種で、春から初夏にかけて富山湾でのみ獲れます。
ホタルイカは小ぶりなため内臓も丸ごと食べられ、皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAや代謝に欠かせないビタミンB群が豊富に含まれているのが特徴です
この他、ホタルイカほど限定種ではありませんが、春から夏にかけて日本近海でよく獲れるのはヤリイカに似たケンサキイカという胴が太い種で、見かけたらぜひ、手にとってみましょう。


【イカで元気になる!?】

大人なら、一度は「タウリン」という栄養素を聞いたことがあるかもしれません。
疲れがたまったとき、タウリンを含む飲料を飲むと元気になるというイメージがありますよね。
タウリンは肝臓や心臓などに働きかけて体の機能を高めてくれる役割があり、実はイカ全般に豊富に含まれていますが、中でも特に多いのがスルメイカやヤリイカです
イカは脂肪分が少なく水分が多いため低カロリーなので、疲れた時には女性も気兼ねなくいただきたいですね。
また、抗酸化作用のあるビタミンEや血流をよくしてコレステロール値を下げるナイアシンなども含まれています

【食べるときには】

加熱しすぎると固くなり噛みにくくなるため、サッと加熱するのがポイントです
例えば、煮物の定番「いかと里芋煮」を作るときには、里芋とイカを煮汁に入れて加熱し、イカの色が白っぽくなり、火が通ったらいったん取り出します。
里芋が柔らかくなるまで煮て、最後にイカを鍋に戻して軽く温めるとよいでしょう。
里芋にイカのうま味が染み込み、かつ、ほどよい柔らかさのイカを楽しめると思います。
この他の食材でおすすめは、肝臓や心臓の機能アップを目指して人参やかぼちゃなど緑黄色野菜との組み合わせです。
冷凍のイカでも十分美味しくいただけるので、うまく活用して栄養も美味しさも丸ごといただきましょう。

Text by ゆず/食育インストラクター

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