保存食を見直そう!その③「切り干し野菜編」

野菜は体によいものだと分かっているけれど、上手にとるのが難しい…生ものだから買ったら早く食べなきゃいけないけど、忙しいから毎日料理できるわけじゃないし…。
そんなときに便利なのが、ドライフルーツならぬドライベジタブル!
つまり「切り干し野菜」です。
日本の食卓を支えてきた存在でもある切り干し野菜、その力を見直してみて下さい☆

【大根以外でもできるんです

最もメジャーな切り干し野菜というと大根です。
ちょっとスーパーに買いに行けばまず手に入ります。
また、安価なのもポイントで、煮るだけではなく、炒め物などさまざまな料理に使えるので、節約にも貢献します。
そのうえ、栄養価も豊富!
大根の栄養がギュギュっと濃縮されているので、たくさん食べなくても補給源になってくれるのが嬉しいですね。
カルシウムや鉄のように、野菜だけではとるのが難しい栄養素も含まれているので、「食卓の救世主!?」といえるかも。

そんな素敵効果満載の切り干し大根。
でも、大根以外の野菜の干し物はあまり見かけないような…??
実は、根菜類はその多くが乾燥可能。
どうして大根以外の野菜が作られなくなったかというと、冷蔵庫が普及した現代、第一の目的だった保存性という役割がなくなったためだと考えられます。
とはいえ切り干し大根同様、干すことで栄養価が高まる上に、干し野菜ならではの風味も生まれます。
このほか、うま味や甘味が強くなり、生とは違った食感になるのも魅力です。
にんじんやゴボウなどの根菜は、干して乾燥させれば簡単に切り干し野菜ができあがりますよ☆
作り方は、晴れた日によく汚れを落とした野菜をザル(ゴミがつくのが気になる方は、ホームセンターなどでネットを購入してもOK)に並べて干せば、数日でからからになります。
天気のよい時期の昼間に集中して干し、夜は室内にしまいましょう。
なお、野菜の中に残っている水分量によって保存期間は異なり、セミドライの状態なら梅雨や真夏は冷蔵保存しましょう

【優秀だけど完璧じゃない】

切り干し野菜のデメリットを挙げるなら、干すことで損失してしまう栄養素もあることです。
特にビタミンCなどの水溶性ビタミンは干しているうちに蒸発して無くなってしまいます。
切り干し野菜は優れた食材ですが、「これだけ食べれば栄養は大丈夫!」ということでは無い点には注意が必要です。
失われやすい水溶性ビタミンの補給源として役立つのが、葉物野菜やフルーツです。
切り干し野菜とうまく合わせて、栄養バランスを整えてあげるとよいですね☆


【よりおいしく食べるために】

切り干し野菜は一般的に戻して使うものです。
水に漬ければ戻せますが、ここで少し丁寧に準備をしてあげるとぐっと深みが増しておいしくなります。

ポイント① よくもみ洗いしよう!
外で天日干しをすることが多い切り干し野菜は、どうしても空気中の目に見えない細かいほこりや砂利がつきやすい食品です。
そのため、ただ水につけただけでは落としきれず、雑味を生む原因になってしまうことも…?
水につける前に、流水でしっかりもみ洗いをしてあげましょう!

ポイント② 戻し水はたっぷり!
しっかりもみ洗いするとふやけるので、「戻し用の水はあまりたくさん使わなくてもよさそうかな?」と自己判断してしまいがちです。
でも、過信は禁物!
乾物なので、戻すためにはたくさんの水が必要です。
あまり水分が少ないと食感にムラができてしまうので、お水はケチらない!のが大切です。

おいしく戻せた切り干し野菜の活用法としてオススメなのがみそ汁やすまし汁です。
時短レシピとしてはもちろん、 忙しくて時間の取れない朝食メニューとして特に役立ちます。

朝は忙しくて手の込んだ野菜料理なんか作れない…だけど、本当は栄養バランス良く食べたい。
そんなお悩みを持つ方にこそ、切り干し野菜は強い味方になってくれるのです☆

温めたお好みの出汁と味噌、そして水戻しした切り干し野菜があれば簡単に作れます。
この方法なら切りものの手間や洗い物も少なくでき、それでいて野菜もたくさん食べられますよ☆
朝に出汁をとるのが難しい方には、過去記事「冷蔵庫で一晩置くだけ!簡単水出汁で和食を楽しもう!」「知っているけど知らない!?昆布のひみつ」などをご参照いただきますと、簡単なお出汁の取り方がわかるのでこちらも要チェックです!

昆布出汁のとり方はこちら
知ってるけど知らない!?昆布のひみつ

現代人の食卓も助けてくれる要素満載の切り干し野菜、皆様ぜひ活用してあげてくださいませ☆

Text by はむこ/食育インストラクター