常温でホントに大丈夫!?「乾物」の収納方法見直し編

乾物を使った料理は、昔の日本では当たり前のように作られ、食べられてきました。
しかし、時間に追われることも多い現代では、手間暇かかると思われがちな乾物料理を作る機会が少なくなってきたのではないでしょうか。
作らなくなれば、自然と収納している期間も長くなります。
今回はそんな「乾物の収納方法」についてお話します。

【保存方法「常温」と書いてある

「いくら乾物を使う機会が少ないと言っても、乾燥させてあるくらいだからすぐに腐ったりしないでしょ」
それは間違いではありません。
乾物の長所は保存性の高さです。
しっかりと水分を抜いてあるため、簡単に腐ったりはしませんし、基本的には常温保存で大丈夫です。
常温保存の定義についても、法律上で常温保存に関する具体的な数値は規定されておらず、外気温を越えない温度という記述にとどまっています。
それだけ見ると部屋にそのまま置いてあっても問題なく保存できそうですが…。
ここで注意しなければならない点がひとつ。

保存方法の項目に書いてあるのは、基本的に未開封の状態を前提とした保存方法であること(賞味期限もそうですね)。
そのため、開封後はあまり日持ちしないものは開封後要冷蔵などの表記がつけられているのです。
別枠で書かれていることもあるので、食品表示は全体をちゃんと読みましょう!
開封後要冷蔵の表記を見落として傷ませた経験者が言うのだから間違いないですよ!

乾物はその多くが長く保存できるため「乾物で要冷蔵はありえないでしょ」と過信しがち。
でも、セミドライ品などは開封後要冷蔵に該当する場合もあります。
また、長期保存できる乾物でも開封後は品質の劣化が起こりやすくなるため、早めに食べるようにしましょう。
さらに、乾燥させてある関係上、どの種類の乾物でも湿気には弱いので、梅雨から夏にかけて湿度が高くなると、ほかの時期に比べて非常に劣化が早くなります。
カビなども生えやすくなるので、乾物とはいえ油断は禁物!
同様に、シンクの下のように、冬でも湿気がこもりがちな場所への収納も避けたいところ。
湿気対策が難しい場合は迷わず冷蔵庫に入れて保存した方がよいでしょう。


【虫害の罠が潜む…

多くの乾物は常温保存できますが、簡単に袋を閉じて放置…という収納方法をしてしまうと、恐ろしい事態を招いてしまうのが困りものです。
なぜなら、乾物は虫がつきやすい食品だからです。
豆類や穀物、穀物から作られる麺類などは、虫にとってはごちそうのようなものですし、ドライフルーツや出汁などの、そのままでもおいしいものは言わずもがな…少しでも隙間があれば入ろうとします。
また虫の種類によっては、ビニール袋程度なら簡単に食い破ることができます。
乾物だからと放っておくと、背筋の凍るような光景を目にするリスクが…!?

虫害を防ぐためにも、乾物の収納は密閉できる容器を使うことが大切です。
また、使わないときでもこまめに収納場所を掃除する習慣をつけるとなおよいですね☆
ちなみに、この虫害は人間の食べ物だけではなく、ペットのご飯や巣材などでも起こり得るものです。
ペット用品はコストのよさから大きな袋で買い込むことも多いですが、愛するペットちゃん達のためにも、出しっぱなしにはせずちゃんと密封容器に収納しておきましょう!

乾物は長期保存を目的としているがゆえに、放置してしまいやすい食品です。
だからこそ、最初の収納方法をきちんと確認して、おいしい状態を保たせてあげたいですね☆

Text by はむこ/食育インストラクター