
離乳食が終わり、食事の準備や食事中の介助などにも少し余裕が出てくる幼児期。
でもまだまだ目が離せないことも多く、親としては悩みがつきないですね。
今回はそんな幼児食期の悩みのなかから、特に気をつけたい丸飲みや誤嚥・窒息についてのお話です。
【幼児食期とは】
幼児食期は大人と同じ食事が出来るようになるためのステップのひとつです。
期間としては離乳食が完了する1歳6ヵ月以降~小学校入学前までが該当します。
離乳食の目的が「食材の味や形あるものを食べることに慣れる」・「1日3食(+α)の食事形態に慣れる」などだったのに対し、幼児食はより「大人に近い形状のものなどを食べられるようになる」・「いろいろなかたさや味に触れ、噛む力・味覚を育てる」・「スプーンやフォーク(箸)などを使って自分で食べられるようになる」・「栄養のほとんどを食事やおやつからとる」などが目的となります。
味つけは、離乳食期が素材の味を意識したごく薄い味つけだったのに対し、幼児食期は大人の1/3~半分程度を目安に段階を追って味をつけていきます。
味つけが出来るようになるとはいえ、引き続き薄味を意識していくことが大切です。
また刺激のある調味料や食材などはまだ食べられませんので、取り分けの際などは注意が必要です。
【幼児食期の食事の悩み】
幼児食期はちょうど自我が強くなるころなので、とにかく「自分が!」・「自分で!」と出来る出来ないは関係なしに、何でも「やりたい」・「やってみたい」年頃です。
親にとってこのころの食事の悩みは
- 食事を食べなくなった
- 好き嫌いが激しくなった
- 食事に時間がかかるようになった
- わざと食べ物で遊んでみる
- 食事中にじっと座っていられない
といったことを感じる頻度が離乳食期よりも増えていく傾向にあります。
これらは、大人を困らせようと思ってやっている場合もなかにはあるかもしれませんが、精神的に成長しようとしている証でもあるので、いけないことはきちんと伝えつつも、ときには子どもの気持ちに寄り添って対応していってください。
【命に関わる丸飲み・誤嚥・窒息】
上記に挙げた悩みも日々のこととなればとても頭の痛い問題ですが、これらは個人差が大きく、成長とともに改善されていくことがほとんどです。
でも丸飲みや誤嚥・窒息は、一歩間違えれば命の危険に直結する可能性がとても高いものです。
●丸飲み
誤嚥や窒息が起こる要因のひとつに、丸飲みが挙げられます。
これは、食べ物をよく噛まず、大きいまま飲み込もうとするものです。
自分の食道のサイズよりも食べたものが大きければ、のどに詰まりやすくなり、結果として窒息など命に関わるような緊急事態が起こる場合もあります。
また丸飲みしている子は食べるスピードが速く、満腹中枢が刺激される前に食べ終えてしまい、食べ過ぎになっている場合もあります。
丸飲みの理由はさまざまですが、食べ物のかたさがやわらかすぎる、食材の切り方が小さいなど、その子に合っていないことが原因かもしれません。
成長曲線の標準範囲からはみ出ていなければ様子を見て構いませんが、もし大きく外れている場合などは、食事の内容やかたさ・大きさなどを一度見直してみるとよいでしょう。
かたさや大きさを変えることはもちろんですが、食事のときの声掛けも大切です。
「よく噛んで食べようね」や、「慌てないでゆっくり食べていいんだよ」といった声掛けをし、食事中の子どもから出来るだけ目を離さないようにしてください。
●誤嚥・窒息
私たちの体は呼吸をするときに空気が通る気管と、食べ物を飲み込むときに通る食道という場所があります。
実は口から途中のところまではどちらも同じ道を通ります。
でも空気が通るときは食道にふたをして気管に空気が入るようにし、食べ物を飲み込むときは、気管にふたをして食道に食べ物が入っていくようになっています。
誤嚥とは、そのふたが何らかの理由で上手く閉まらなかったり、閉まる前に食べ物などが間違った道に入ってしまうことで起こります。
でも、もし間違った道に食べ物が入っても、咳をすることによって肺に入るのを防ごうとするシステムがあるので、大抵の場合は口の中に食べ物などが戻ってきます。
しかし、幼児食期の子どもは噛む力や咳をする力がまだまだ未熟なため、間違った道に入ってしまった食べ物などを上手く出すことが出来ないことがあり、肺炎を起こしたりする場合があります。
危ない食品は、こんにゃくや餅のような弾力のあるものや、ミニトマト、ぶどうのような丸くてツルっとしたもの・飴・ナッツ類などは危ないとよく耳にします。
それ以外でも、パンやゆで卵、ご飯の塊、いも類などは、たくさん口に入れると詰まる原因になりやすいです。
気管は大人で2cm前後、幼児に至っては1cm以下ですし、気管の前の喉のあたりもそこまで幅が広いわけではありませんので、もし大きな食べ物がスッポリはまってしまうと、空気の通り道が塞がれて、窒息に繋がります。
実は、幼児食期の誤嚥や窒息による痛ましい事故は、離乳食期よりも格段に多いです。
誤嚥や窒息事故を起こさないために、食事中の見守りや声掛けはもちろん、丸飲み対策と同様に食べ物のかたさや大きさを見直したり、食べているときに走り回らない、食べながらお話をしないなどもあわせて気にしていきましょう。
今回は、幼児食期の子どもを中心に話をまとめましたが、丸飲みや誤嚥・窒息などは、頻度の差はあれど全世代で起こる可能性があります。
お互いに声を掛け合ったり、様子を見て、未然に防げるように意識していくことが大切です。
Text by さゆり/食育インストラクター











