
スーパーやコンビニなどで食品のラベルを見ると、「ナトリウム」「塩分」「食塩相当量」など、似たような言葉が並んでいて少し戸惑ったことはありませんか。
どれも「しょっぱさ」に関係しているものですが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。
【ナトリウムとは】
「ナトリウム(Na)」は理科で習う元素の名前で、私たちの体に欠かせないミネラルのひとつです。
体の水分バランスを保ったり、神経や筋肉の働きを支えたりと、重要な役割を担っています。
ただし「摂りすぎ」が問題になっています。
ナトリウムを過剰に摂ると血圧が上がりやすくなり、健康リスクにつながります。
そのため、栄養学の世界ではまずこのナトリウムの量が基準として扱われています。
ちなみに食塩は「ナトリウム」と「塩素」が結びついたもので、主に「塩化ナトリウム(NaCl)」という成分からできている調味料のことです。
【塩分とは】
「塩分」は、身近に使われる言葉で「しょっぱさのもと」と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
普段の会話で「塩分を控えめに」と言うとき、多くの人は食塩(いわゆる塩)をイメージしていると思います。
ただし実際には、食品の中には食塩以外にもナトリウムを含む成分があり、それらも広い意味では“塩分”に含まれることがあります。
つまり塩分という言葉は便利ではあるものの、少しあいまいな表現でもあります。
【食塩相当量とは】
「食塩相当量」は、少しかたい言葉ですが、実は私たちにとって一番分かりやすい指標です。
食品に含まれるナトリウムの量を「もし全部が食塩だったら何グラムになるか」に換算した数字が「食塩相当量」だからです。
例えば、ある食品にナトリウムが多く含まれていても、それをそのままでは実感しにくいですが、「食塩相当量2.5g」と書かれていれば、「塩をこれくらい食べているのか」と直感的に理解できます。
健康管理の場面では、この“換算された数字”がとても役に立ち、わかりやすいです。
【覚えておくと便利!】
ナトリウム量を食塩相当量に換算する方法は、
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54g÷1000
で知ることができます。
ただし、栄養成分表示が「1食あたり」か「100gあたり」かを確認しましょう。
例えば、ケチャップが「100gあたり」の表示でも実際に大さじ1(15g)しか使わない場合は、15g分に換算して計算する必要があります。
【1日の食塩摂取目標量は?】
日本人の食事摂取基準(2025年)では、男女とも食塩摂取量1日6g未満を目標量としています。(WHOのガイドラインでは男女とも1日5g未満を推奨)
例えばラーメン1杯の食塩相当量は6~8gと言われているため、スープを飲み干してしまうと1食で目標量を超してしまうのです。
ラーメンだけでなく現代の食生活では、外食や加工食品を通じて知らないうちにナトリウムをとりすぎてしまいがちです。
そんなとき、食品ラベルの「食塩相当量」に少し目を向けるだけで、自分の摂取量をぐっと把握しやすくなります。
特に日本はしょうゆや味噌、塩を調味料として日常使いするため、食塩相当量の値を意識して食事をすることがとても大切です。
今は減塩調味料がたくさんあります。
それらをうまく使い、さらに出汁のうまみ、香味野菜やスパイスの香り、酢などを使って上手に減塩していけるとよいですね。
いかがでしたか。
それぞれの違いについては、ナトリウムが「材料そのもの」、塩分が「しょっぱさのもと」、そして食塩相当量が「実際にどれくらいの塩をとっているかの指標」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
これを機に食品ラベルを見る癖をつけ、食塩摂取目標量に近づけるよう努めていけるとよいですね。
Text by くまこ/食育インストラクター




