味覚障害って?うちの子は大丈夫??

前回の「味覚は幼少期に決まる!?」では、「乳幼児から幼児期にかけては、さまざまな食べ物を味わうことによって味覚が発達する時期。食事を通じ味覚体験の中で幅を広げてあげることはとっても大切!!」というお話をさせていただきました。

今回は、近年増えている味覚を正しく認識できない子どもの「味覚障害」などについてご紹介します。
うちの子は大丈夫!?と不安なママさん、必見です!!

【味覚障害とは?

味覚とは、 『甘味』『酸味』『塩味』『苦味』『うま味』の5つの基本味のことをいい、味覚障害の症状は、「何を食べても味がしない」「味が薄く感じる」「何も食べていないのに苦く感じる」といった味を正しく判断できなくなっている状態をいいます。

●味覚減退
「味つけが薄い」「味が感じにくい」など

●味覚消失
味がまったくわからない

異味症
本当は甘いのに、苦く感じるなど本来の味とは異なる味に感じる

●自発性異常味覚
何も食べていないのに味がする

●解離性味覚障害
基本味のうち1ないし2種類の味しか認識できない

●悪味症
何を食べても嫌な味がする

などの種類があり、加齢により起こりやすいですが、味覚を正確に認識できない子どもが増えている今、注意が必要です。
また、味覚症状の原因はひとつではなく、亜鉛不足によるもの、薬の副作用、心因性などさまざまで、複数の原因が影響している可能性があります。
成長期の子どもに関しては、味蕾の数の減少で味覚障害になるとは考えにくく、生活習慣などから発症するといわれています。
「味覚障害かも?」と思ったら、耳鼻咽喉科に相談するとよいでしょう。

【子どもの味覚を守ろう!!素材の味を楽しむポイント

<味覚を育てる5つのポイント>
①薄味を心がける
②よく噛んで食べる
③口の中は清潔に
④一緒に調理して、食べる意欲を高める
⑤亜鉛を摂る

味覚が最も発達する幼少期は、実はとっても「シンプルな味」を好み、大人が思うほどマヨネーズやケチャップで味つけしたものを好まなかったりもします。
もちろん、素材や好き嫌いにもよるとは思いますが、よかれと思ってかけた調味料がNGだったりすることがあるのです。

ゆでたブロッコリーや、出汁で煮た白菜、スティックに切ったきゅうり、ふかしたさつまいも…。
離乳食を終えて幼児食がはじまるころは、できるだけ素材本来の味を楽しみ、少しずつ調味料を足していってあげるのがよいでしょう。
一番おいしい旬の時期やゆで加減や大きさ、それらを意識してあげればけっこうパクパク食べてくれるものです。
素材の味で食べられる子どもに育て、素材そのものでおいしく食べることができれば、味覚の形成やからだの成長に大いに貢献します

とはいえ、「それでは食べない!」という子どもも、もちろんいます。
「みんなと一緒だから食べる!」という子もいます。
そんなときは、カレー粉を少し加えて風味を変えてみたり、ゆで加減を変えて食感を変えてみたり、調味料を変えてみたり、いろいろと試してみてください。

そしてのどが乾いたらお水か麦茶などのお茶にしてあげてくださいね!
ジュースでのどは潤いません…。
ジュースにはたくさんの砂糖が入っています。
過剰に飲むと、将来の肥満の原因になります。
たまに飲ませてあげる程度にしましょう。


【さらにおいしく味わう食事ポイント

「おいしさ」は、味覚に加えて、嗅覚・聴覚・視覚・触覚の五感が複合的に作用して、脳に伝えられて感じられます。
また、おいしさを脳に効率的に伝えるためには、おいしく食べる食べ方、五感を意識した食べ方を教えることが大切です。

①よく噛み、水や飲み物で食べ物を流し込まない
・風味を口の中で感じる
・唾液の分泌を促す

②口を閉じて食べる
・風味を口の中から逃さない
・ぺちゃくちゃ音を立てて食べない
・おしゃべりをしながら食べない

③五感を意識して食べる
・盛りつけ、歯ごたえ、香り、舌触りなど意識する

④早食いしない
・ゆっくり味わって食べる
・食事時間をしっかりとる

⑤口内調味(三角食べ)
・おいしさを作り出す

①~⑤を意識して、家族そろって楽しい食卓を囲み、おいしさ共有してください♪

幼少期は、離乳食を通してさまざまな味を五感で感じながら食べ物のおいしさを知り、味覚が発達していく大切な時期です。
ぜひ、五感をフルに使って、おいしさの発見を繰り返す経験をさせ、子どもの味覚の幅をどんどん広げてあげましょう!!

Text by くまこ/食育インストラクター