和の配膳の基本、ご存知ですか?

インスタグラムやフェイスブックなどで、料理の写真を載せる方がここ数年でグッと増えましたよね!
見ていると、料理は美味しそうなのに、どこか違和感がある写真がチラホラ…。
実はそれらの写真、「ご飯」と「汁物」を置く場所が逆だったのです!
今回は、日本人ならきちんと知っておきたい、和の配膳の基本についてのお話です。

【和の基本的な配膳は“一汁三菜”

一汁三菜とは、ご飯・汁物・主菜・副菜・副々菜からなる、和食の構成のこと。
それぞれ置く位置が決まっており、この一汁三菜の置き方が和食の配膳の基本となります。

●正しい並べ方は?
一汁三菜は向かって手前の左にご飯、手前の右に汁物、右奥に焼き魚などの主菜、左奥に煮物などの副菜、真ん中に和え物や酢の物などの副々菜という形で置きます。
また、箸は持つ部分を右側にして手前に横一文字(日本では右利きの方が多く、使いやすくするため)に、お茶は右側に置くようにしましょう。

●どうしてその配置なの?
諸説あるようですが、古来から日本には左側に重要なものを配置するという「左上位」という考え方があります。
主食であるご飯は重要な食材と位置づけられていた事から、「左」に配置するようになったという説が有力です。
その他にも、

  • 汁物が左側にあると、手にとって口元に持ってくる際にご飯の上をまたぐ事になるので不作法だという説
  • 一般的に汁椀は高さが低いので、奥にある主菜を取りやすいように、右手前に置かれているという説

などがあります。


【盛り付けにも注意が必要です!

●焼き魚
一尾の場合、頭は左、腹は手前に来るように盛り付けます。
頭がない切り身は、幅の広い方を左に、皮を向こう側にして盛り付けます。

●和え物や小鉢
和え物や小鉢などバラバラになりやすいおかずは、上を細く、土台を太くして高さを出す「天小地大」にするのが良いとされています。

一汁三菜は平安時代後期の絵巻物にも描かれており、約1000年以上続く和食の基本形と言えます。
また、品数や食材が多く、栄養バランスがとりやすく健康的という事から、世界的にも注目を集めています。
和食の配膳はとても合理的かつ食べやすくなっています。
お子さんに教える時には、理由も一緒に教えてあげるようにしましょう!

Text by ろい/食育インストラクター