
給食レシピは時代ごとにさまざまな進化をとげています。
今回は人気の給食メニューから、鶏のレモン和えについてご紹介いたします!
【レモンの産地発祥ではない郷土料理】
鶏のレモン和えは新潟県で愛されているご当地給食メニューのひとつです。
国内でも屈指の豪雪地帯を有し、米どころとして名高い新潟県。
一方で、レモンは暖かく乾燥した気候を好むので、新潟県で栽培するのは難易度の高い作物。
地元で生産された食材を使用することの多いご当地給食としては、すこし不思議な取り合わせに思えますが…?
実は、鶏のレモン和えは、新潟県燕市の代表的なソウルフードなのです。
鶏肉のレモン和えは、もともとは燕市のお隣、新潟県三条市でつくられていた給食メニューのひとつだったそう。
このレシピが人気だったことから、同市から異動した学校栄養士が燕市でも鶏肉のレモン和えの提供を始めたところ、こちらでも子どもたちに大人気のメニューになり、ほかの学校や事業所にも広まっていきました。
その後、鶏のレモン和えを給食で食べた世代が大人になり、市内の飲食店や惣菜店などでも提供するようになると、その輪が広がっていき、今ではソウルフードのひとつにまで大躍進しました。
地元の商工会では鶏肉のレモン和えを取り扱う飲食店や惣菜店をまとめた「とりにくのレモンあえマップ」を作成するなど、地域のPRに繋がっています。
給食という多くの人の心に残る学校のひとコマがあったからこそ広まり、地域の人々に愛されたメニューなのです。
そんな鶏肉のレモン和えは、カラッと揚げた鶏肉に、甘酸っぱいレモンのタレをたっぷり絡めるので、ごはんが進むこと間違いなし!のおかずです。
いつもの唐揚げにマンネリ感があるときに、ひと手間加えてみてはいかがでしょう?
【鶏のレモン和え】
<材料(4人分)> 調理時間:30分
鶏もも肉・・2枚
A酒・・大さじ1
A塩・・小さじ1/3
Aこしょう・・少々
片栗粉・・大さじ5~6
B水・・大さじ2
Bしょうゆ・・大さじ1・1/2
Bみりん・・大さじ1・1/2
Bレモン果汁・・大さじ1・1/2
B砂糖・・大さじ1
レモン(いちょう切り)・・4~8枚
パセリ(みじん切り)・・少々
揚げ油・・適量
<作り方>
- 鶏肉は食べやすい大きさのひと口大に切り、Aをもみこんで10分おく
- 余分な水分をふき取り、片栗粉をまぶす
- 170℃に熱した油で表面が色づいてカリッとするまで揚げ、取り出す
- 鍋にBを入れて熱し、沸いたら(3)を入れ、全面にたれを絡める
- 器に盛り付け、レモンをのせ、パセリを振る
<ポイント>
- レモンの風味を強くしたい場合は、レモン果汁はたれを絡める直前に入れてください
- 鶏肉はささみやむね肉などの部位に変えてもおいしく作れます
学校給食から生まれた経緯から、鶏肉のレモン和えは老若男女問わず食べやすいメニューです。
より風味を効かせたい場合は無農薬のレモンの皮を刻んでたれに加えたり、パセリをねぎやパクチーなどの香味野菜に変えて中華風にするなど、好みに応じて自由にアレンジできるのも魅力的です。
ぜひ自宅でも作って召し上がってみて下さい。
Text by はむこ/食育インストラクター









