美容効果も?!体にやさしい「あんこ」

美容効果も?!体にやさしい「あんこ」

小豆は1000年以上も前から親しまれていた、日本を代表するスーパーフードのひとつです。
そんな小豆から作られる、和菓子にかかせない「あんこ」についてお話します。

【江戸時代から庶民にまで広まった】

小豆ばかりか、「あん」もいまから1400年前、大和時代に中国から渡ってきたといわれています。
ただし、現在のような甘味のあんこではなく、当時は、米や小麦でつくった中華まんのようなものの中に詰める肉や野菜の具材のことを総じて「あん」と呼んでいました
その後、中身の肉類が小豆に代わって、室町~安土桃山時代には、茶道が広まったり、「かすていら」や「金平糖」などのいわゆる南蛮菓子が盛んに輸入されたりと、だんだんお菓子を食べる習慣が人々の暮らしに定着していきます。
それとともに、同じく渡来の白砂糖で味付けされた善哉(ぜんざい)が誕生。
このあたりから小豆あんの製法なども進化し、江戸時代になるとあんの製法も味も、現在のものに近くなり、あんこを使った和菓子の種類もどんどん増えて、庶民でも手軽に味わえるようになっていきました。

【あんこの種類】

加工の程度によって「生あん」「練りあん」「乾燥あん」と分けられ、製餡の方法で「つぶしあん」「こしあん」「つぶあん」とも分けられています。

○つぶしあん
小豆を煮てつぶし、砂糖を加えて練り上げたものです。

○こしあん
小豆を煮たあとにザルでこし、皮と中身に分けて皮を取り、煉り上げたものをいいます。

○つぶあん
煮た小豆を粒の状態のままで砂糖を加えて煉ってゆきます。
煮ているときは小豆の皮が破れやすいので、弱火で丁寧に行います。

【“小倉あん”の小倉とは?】

「小倉百人一首」でも知られる、京都の小倉山が由来だといわれています。
小倉山は、平安時代に藤原忠平が詠んだ紅葉の名所です。
小豆の粒が鹿の斑点に似ていて、鹿といえば紅葉、紅葉といえば京都の小倉山と連想したという説があります。
また、紅葉が点在する小倉山の情景を、小豆の粒に見立てたともいわれています。


【美容効果がこんなに?!】

○ポリフェノール
小豆に含まれるポリフェノールは、赤ワインの約2倍にもなるといわれています。
また、野菜などに含まれるポリフェノールは調理の際にほとんどが流れ出してしまうのに対し、小豆のポリフェノールは残りやすいので、摂取しやすいのが特長です。
そもそもポリフェノールとは、抗酸化物質の総称のことで、小豆にはたくさんの種類の抗酸化物質(ポリフェノール)が含まれています。
ポリフェノールの主な作用は強い抗酸化作用、新陳代謝UP、冷え性改善、美白や美肌など、女性にうれしい効果が期待できます。

○食物繊維
あんは食物繊維が豊富に含まれています。
そのため、便秘の解消につながります。

○サポニン
多くの植物に含まれるサポニンですが、特に大豆と小豆に豊富です。
サポニンには血流をよくする働きや脂肪を吸収する働きがあります。

○メラノイジン
小豆が、あんとなると、熱によってメラノイジンという抗酸化力をもつ物質が生まれ、抗酸化力があがります。
小豆のアミノ酸と加えられた砂糖のブドウ糖が熱によってアミノカルボニル化合物へと変化します。
そこでメラノイジンという抗酸化物質が生まれます。

【アスリートには「あんこ食品」がピッタリ?!】

運動を長時間行う場合、体内に蓄えているエネルギー源だけでは足りなくなるので、練習中やレース中に走りながらとる補給食品が必要になります。
補給食品の代表的なものといえば、バナナ、梅干、パン類、チョコといったものが多いと思いますが、特に自転車に乗る人達で密かに人気になっているのが、「あんこ系の食品」です。
コンビニなどで売っている一口羊かんが特に人気なようです。
手軽に栄養補給でき、中身がしっかりと詰まっていることで、つぶれる心配がありません。
ゴミもすくなく、チョコレートと違い、溶けてしまうこともありません。
まさに運動中にエネルギーを補給したいとき、羊かんは理想の携帯食品といえますね!

日本には素晴らしい食材がたくさんあります。
小豆もそのひとつで、今は世界から注目される食材にまでなりました。
その小豆から作られる「あんこ」もまた体に良く、そして美味しいお菓子です!
日本の伝統食材を大切にしていきたいですね☆

 Text by ナナちゃん/食育インストラクター