食べたくないけど食べたほうがいい?食欲不振の話

ものすごく体調が悪いわけではないけれど、どうにも食欲がわかない…。
こんなときは気分も憂鬱ですよね。
「食べたくなくても食べなきゃだめ!」と言われることもあるけれど、実際のところはどうなのでしょう?
今回は食欲不振についてのお話です。

【食べちゃいけない場合もある】

一言で食欲不振といっても、原因はたくさんあります。
そのため、エネルギー補給のために食事が必要なのは事実ですが、無理やり食べるのはNGな場合もあるのです。
例えば、胃の不快感や膨満感がある、下痢をしたときなど、胃や腸の機能が落ちているときは、食欲不振になりやすいもの。
消化機能がうまく働いていないときに無理をして普段通りの食事をすると、消化に時間がかかって余計に苦しくなったり、嘔吐してしまうなど、状態を悪化させてしまうことも。
この場合は消化器の負担を軽減させてあげるために、消化のよいものを最低限食べるのがよいですね。
逆に、きちんと食事を食べた方がよい食欲不振は、夏バテなどの「なんとなく食欲がないだけ」というとき。
ここで食事を抜いても、エネルギー不足になって考えがまとまらなかったり、ぼーっとしてしまい、さらにやる気が出なくなってしまう悪循環に陥る可能性があります。
気分が乗らなくても、きちんと栄養補給はしたいですね。


【どんなものを食べたらよい?】

気分が原因の食欲不振は、食べる時間をきちんと決めて、生活にメリハリをつけるなどで日ごろから対策をするのが有効です。
決まった時間に食事をすることで、胃や腸の動きにリズムがつくようになるので、消化器の負担を軽減することにも繋がります。
逆に、思いついたタイミングでダラダラと間食をしたり、気分次第で食事を抜くなどを頻繁にしていると、食欲不振ばかりか、太りやすい体質になるなどのデメリットもあるので注意しましょう。
また、食事の内容がバリエーションに富んでいると、飽きることなく食べられます。
料理のレパートリーを増やすと思うとハードルが高くなりますが、例えば普段食べている肉や魚のソテーの味つけを変えるなど、小さな変化をつけるだけでも刺激になり、食欲増進に繋がります。
特に、酸味のあるもの(酢・レモン・梅干しなど)や、香りの強いスパイス・ハーブ類などは、胃酸の分泌を助けるので、食欲がないときには積極的にとりたいですね。(※刺激が強いので、消化器が弱っている場合はこれらの食品を避けてください)

消化器が原因の食欲不振は、すぐに消化されやすい白米やうどんをメインに、脂肪の少ない白身魚やささみ肉・半熟卵・豆腐などと一緒に食べるのがおすすめです。
よく噛んで食べると、より負担を抑えることができます。
玄米やそば、繊維の多い野菜などは、消化に時間がかかるため、一時的に避けた方がよい食品です。
また、油脂も消化に時間がかかり、胃腸に負担がかかります
症状がひどいときは避けた方がよいでしょう。

食事は人間の生活になくてはならないもの。
食欲不振で食べられないのは、あまりよい状態とはいえません。
原因はさまざまですが、頻発していたり、何日か続いているなら慢性的な病気が隠れている危険性があるので、一度は検査などのために病院を受診することも検討してください。

健康でおいしく食事を楽しめるように、体調にはご注意くださいませ☆

Text byはむこ/食育インストラクター