脂肪は燃やして減らすもの?食と脂肪燃焼

お腹まわりの憎いヤツ(?)である皮下脂肪。
脂肪はエネルギー源として蓄えられているものなので、どんどん燃焼させるのが最も確実なダイエット法です。
しかし、簡単に燃やせるものなら、ダイエットが苦行のように扱われることはありません。
一度ついた脂肪を燃焼させるのは難しいものなのです。
今回はそんな脂肪燃焼について、そしてそれに関わる食べ物のお話です。

 【脂肪が燃えるとは?】

脂肪を燃焼させる、というフレーズは多くの人に知られています。
もちろん、実際に体内で火がついているわけではないので、燃焼というのはたとえ話の一種です。
脂肪燃焼とは、エネルギー不足を察知した脳から指令が出されることで、体内に蓄えている中性脂肪を分解してエネルギーに変える動き(代謝)のことを指しています。
そのため、まずはエネルギーが足りなくなるかも、と脳が認識することが、脂肪を減らすための第一歩と言えるでしょう。
そして、最も効率的な脂肪燃焼方法は、体を動かしてエネルギーを使うことです。
体内で使われるエネルギーには順番があり、食事から摂った糖質が最も早く使われていきます
そして20分程度運動すると、エネルギー不足になるかも?と脳が察知し、食事から摂った糖質だけではなく、体脂肪の分解を活発にするように指令を出すようになります。
エネルギーが足りなければ脂肪を分解するからといっても、極端な食事制限を行うのは健康を損なうリスクがあるほか、筋肉量が減って痩せにくい体になる可能性もあるのでおすすめできません。
運動するときは、いきなり激しい運動を取り入れるのはケガの原因になります。
軽めのウォーキングなど、習慣化できそうなものを長期間行うことが大切です。


【脂肪を燃やす食べ物はあるのか?】

体についてしまった脂肪は地道に運動して燃やしていくしかない。とはいえ、何かと生活時間が乱れがちな現代の暮らしで、普段食べている量に見合った運動時間をしっかり確保するのは難しいものです。
そんなときにはついつい、「食べたら脂肪が燃焼するものはないか?」と考えてしまいますよね。
残念ながら、これを食べれば脂肪が燃焼する!という食品はありません。
しかし、脂肪燃焼を行うために必要になる栄養素があるので、これを日々の食事で不足なく摂ることで、効率アップが期待できます。
まず、優先的にチェックしたいのが、たんぱく質です。
脂肪燃焼を行うときは酵素やホルモンの働きが必要ですが、たんぱく質はこれらをつくりだすのに欠かせない存在です。
また、筋肉のもとになり基礎代謝量を維持するので、消費エネルギーを上げて、痩せやすい体に近づきます。
たんぱく質が豊富な食品は肉や魚・大豆製品・乳製品などがありますが、脂肪燃焼を目的にするなら、低脂肪・高たんぱくな食品を優先的に選ぶとよいですね。
肉類なら脂肪の少ない鶏むね肉や赤身肉・ヒレ肉といった部位を選ぶとよいでしょう。
魚類なら脂ののったトロなどは控え、淡白な白身魚などがおすすめです。
また、ビタミンB群は体が代謝を行うときに使うので、不足しないようにしたい栄養素です。
特に、摂ったたんぱく質を利用して筋肉や皮膚などの体をつくるときに必要なビタミンB6は、間接的な形で脂肪燃焼をサポートしているといえます。
ビタミンB6は肉・魚・野菜などさまざまな食品に含まれているので、一般的な食生活をしていれば不足する心配は少ない栄養素です。
ただし、水溶性で水に溶けだしやすく、加熱によっても失われる性質があるので、すでに調理されている加工食品よりは、自分で新鮮な食材を調理して摂った方がよいでしょう。
ビタミンB6が含まれ、食べやすい食品では、バナナ・ごま・マグロ(赤身肉)などがあります。

お腹についた皮下脂肪の多くは、生活習慣が原因に結びついて徐々に蓄積されたものです。
それと同じく、脂肪燃焼は特別な何かをすることで即座に劇的な変化が起こるのではなく、日々の生活の中で少しずつ減らしていくものです。
適度な運動と食事の見直しをして、お腹まわりの脂肪をやっつけましょう!

Text by はむこ/食育インストラクター